玉蜀黍畑の唄/CornSnakeSongs

iconキャラメル/Caramel

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Motley Caramel  Photo (C)HerpSupply

 Caramelとは、砂糖を水に溶かして焼いて作るお菓子。キャラメル、或いは、カラメル。色としては、淡褐色を指す。

 キャラメルのレシピは、昨今人気があって広く知られているようだ。管理人も結構好きで、たまに作ったりする。
 牛乳800cc、生クリーム400cc、蜂蜜50g、グラニュー糖280g、バニラビーンズを1/2本ちょっと、バター10-20gで作る事が多い。蜂蜜はアカシアも良いが、蜜柑のものなども口当たりが良くなるように思う。

 前述の配合だと、やや柔らかめのものが出来る。ここから、牛乳と生クリームの比率を変えていくと、より固まりやすくなっていく。ただし、生クリームの比率が多くなるほど、ちょっと焦げやすくなる。1:1ぐらいまでなら比較的簡単に作れるだろう。ただ、バターや生クリームは、比率が高くなるほど濃密になり、喉越しも絡まりやすくなって、全体的にくどいキャラメルになりやすい。個人的には柔らかめのさっぱりな口当たりのものが好みなので、前述の比率で作ることが多い。

 火入れのコツだが、銅製の鍋で作ると遣りやすい。そうでなくても出来ないという訳ではないが、どんな鍋を使うにしろ、作る最初の液体全部より1.5倍から2倍ぐらいの容積がある鍋でやること。ずっとかき混ぜていなければならないので、へらの動きで溢れないように気を遣わなければならないようでは上手く行かないことが多いから。

 上の比率であれば、前述の材料をすべて鍋に入れてしまい、強火にし、あとはかき混ぜていけばよい。生クリームの比率が多くなるほど、砂糖が溶けづらくなるので、そういう場合は生クリームとバター以外を先に入れ、煮立つ寸前までよくかき混ぜ砂糖を溶かしてから生クリームやバターを加えるとよいが、しっかり混ぜていれば別に一緒に入れても問題なかったりする。
 かき混ぜるのは、木のへらやゴムべらなどでよい。管理人は木製の、先っぽが真っ直ぐになっているへらを使う。これは、底面に砂糖やキャラメルがつもって焦げてしまわないように全体を均一に混ぜやすいから。鍋がより円形に近い形状をしている場合は、ゴムべらが良いが、底面が平面になっている鍋の場合、まっすぐになっているへらのほうが、鍋とキャラメルを綺麗に混ぜられる(鍋の壁面にくっついているキャラメルをちゃんと混ぜられる)ので、焦げづらい。焦げる原因は基本的にかき混ぜ不足なので、ひたすらにひたすらにひたむきにとにかく混ぜること。

 容積が半分ぐらいになるまでは、へらの重さは殆ど変わらないが、この時に怠けずによく混ぜること。混ぜ方だが、中央から外縁部に向かってへらを動かし、そのまま一周したところでへらを止め、今度は逆に混ぜる、という風に、へらで作った流れを、次の動きで乱すように動かす。有り体に言えば、全体が均一に混ざりつつ、一番疲れるように混ぜればよい。正直、このあたりはキャラメル作りで一番重要だが、一番言葉では言い表せない部分なので………。

 吹きこぼれるぐらいならば火を一端止めてもいいが、なるべくかき混ぜて強火でやり続ける。

 だいたい三分の一ぐらいになってきたら、あと少し。あと少しだが、ここからが正念場になる。配合の比率により、どれぐらいで堅くなるかは違う。どのあたりで火を止めるかは好みだろう。冷やすと固まるので、イメージとしてはとろろぐらいで十分ではないかと思う。色合いも目安になるが、使う牛乳やバターやクリームの配合、砂糖の量などでも結構変わってくるので、色合いよりも粘りで見たほうが良いように思う。
 もう少し煮詰めても良いが、ここからの煮詰めはかなり短時間で変化してしまうので、見極めが簡単ではない。余熱も無視できないので、最初の一回は、ちょっと早いかもしれないけど、ぐらいのところで辞めてしまうのが安全だと思う(失敗すると次作る気がしなくなるから)。火を止めても、余熱が残っている間は暫くかき混ぜたほうがよい。

 あとは、バットなどに流し入れる。ただ、ポリプロピレンのバットにしろ金属のバットにしろ、綺麗に剥離しないので、心持ち冷ましてから、ラップを敷いて、そこに流し込むのが簡単だろう。
 暖かいうちは勝手に広がっていくが、別に均してもよい。あとは室温で冷ましてから、冷蔵庫に入れる(これは、冷えたほうがナイフなどにくっつかず切れやすいから)。あとは、固まったところで好みの大きさに切り出して、料理用パラフィン紙などで包めば完成!(余談だがパラフィン紙は完成したものを包むのには良いが、暖かい状態のキャラメルをパラフィン紙を敷いて流し込んでも張り付いてしまうだけなのでやってはいけない)。

 キャラメルは柔らかく、指紋がついてしまうので、手袋をして作業するとよいかもしれない。

 レシピは比較的簡単だが、であればこそ、これぞ!というものを作るのは難しい。配合の割合もそうだが、火加減、混ぜ方などの要素で変わってきてしまうので、ベストなものが何処にあるのかは、謎である。季節によっても作り方が変わってくるだろう。

 今回のレシピでは、数で相当な量できる。市販のバターのブロックでいうと、一個半から二個分ぐらいだったかと思う(正確に質量を測ったことがない)。
 この量になっているのは、個人的に、このキャラメル作りは、量が多いほど成功しやすいと思うから。作る量が少ないほど、あっという間に火が通ってしまいやすく、焦げやすくなる。

 全部を半分量にして、半分の量を作るぐらいならば管理人にも簡単にできるが、では1/4は? 1/5は? となると、かなり自信がない。上手い人なら、簡単なのだろうが………。ただ、前述の量では、見て分かるように相当大きな鍋が必要になってしまうので、どの鍋で作るか決めて、量を逆算するのが良いかもしれない。生クリームは大抵200ccでひとパックなので、半分量が丁度良いかも。

 大量に作りすぎてもなんだが、上記ぐらいの量ならば消費に困ることもないと思う。重さとかを量ったことがないので、どれぐらい出来るかよく分からないが、確か一般的に販売されているバターのブロック二個分か、ちょっと多いか、ぐらいだったような気がする。ただ、あまり長期の保存に向かない。そもそもどれぐらい保つものなのかも分からないが………。食べられなくなるのではなく、なんか触感が変わってしまう(原理はよく分からないが、さくさくした感じになる)。なんにしろ簡単に作れる割に美味しいので、お試しあれ。
 余談だが、牛乳をひたすら中火からとろ火で煮込んでいくと、『』という食べ物ができるらしい(たぶん、こんな感じで作ったっぽい、ということで再現されたもの)。薫りはキャラメルっぽい。


 閑話休題。


 さて、コーンスネークのキャラメルとは、劣性遺伝する遺伝変異。斑紋内部が褐色になり、地肌に乗っていた赤色が黄色に、虹彩も赤色ではなく、黄色くなる。乃ち、赤かった部分が、全て黄色に転化している。
 もともと、コーンスネークには黄色色素が存在するので、新しく色素が生じている訳ではない。赤色色素は、黄色色素から化学変化して生じるケースが多いため、コーンスネークで科学的に検証されたわけではないが、黄色色素から赤色色素に変化するプロセスで何かしらの欠損が生じた結果であろうと推察されている。

 Rich Zuchowski氏の手により1991年に作出された。元親は、フロリダ(Florida)州ケープ・コーラル(Cape Coral)の南海岸周辺で捕獲された個体で、同氏がとあるペットショップで見掛け購入したものであるという。当初は変わったAnerythristicではないか、と氏は考えたのだそうで、その為、最初の掛け合わせに、Snowが用いられた。そして、此処から得られたF1同士の交配により、1991年に通常のAnerythristic-Aとの組み合わせとは全く外見が異なる個体が出現し、成長するにつれ、スノーやアネリスリスティックとは異なった色調を呈するようになったことから、これらにCaramelButterの名がそれぞれ与えられた。

 確実にそうである、という訳ではないが、幾人かのブリーダーは経験則として、Caramelはヘテロの状態であっても、多少、赤色色素に作用する傾向がある、と感じているようだ。つまり、赤色にやや橙色を帯びさせ、もともと橙色のところは更に明るい橙色にするという。ただ、アルビノが入っているならば兎も角、キャラメルの状態では分かりづらいことと、成長により分かり易くなること、他の遺伝子のヘテロとのコンビネーションによって差がさらに生ずる可能性、雌雄差、なにより個体差があるので、あくまで観察者の主観で判断するしかなく、これをしてヘテロかどうかを確定することは出来ない。

(LastUpdate:(2009/01/29))