玉蜀黍畑の唄/CornSnakeSongs

iconキャンディケイン/Candy Cane

iconCandy CaneAmelanistic+Miami-Phase+Select

 Candy Cane (C) 桔梗屋

 キャンディ・ケーン(あるいはキャンディケイン。表記はあなたのお気に召すままに)とは、クリスマス・ツリーに飾られることもある、ステッキのカタチを燃した紅白のお菓子のことだそうな。紅白模様がそれっぽいのでそう呼ばれてるらしい。
 一言で云ってしまえば、Miami-PhaseAmelanistic。ただし、AmelanisticMiami-Phase由来ではないので、Miami-Phaseに導入した後に、更にマイアミの血を濃くしていくという行程が必要となった為、クオリティにかなりばらつきがある。加えて、Miami-Phaseであっても地肌部分の赤が少なからず入るものであるが、それらの中でもこれが目立たない方向、つまり斑紋以外の地肌が白いものが上質とされ選抜交配が進められている。

 もともとMiami-Phase自体が、斑紋(ブロッチ)部分が大きく広く、赤がその内部を埋めるような外見をしている。よって、リバース・オケーティのそれが、ブロッチの縁を広くし、白く抜けさせることを良しとするのに対し、キャンディ・ケーンでは、縁取りを無くし、斑紋内部全体に赤が乗るような方向が是とされ、そういう方向への選抜が進められている。

 ただし、マイアミという品種は、もとより斑紋内部に鬆(フロステッド)が入りやすいという特徴がある(そもそも、フロステッド・コーン自体が、マイアミにハイポメラニスティックを導入する過程で作られたものだと耳にした。裏付けはとれていないが、これが事実であるなら、フロステッドはマイアミから派生した品種であり、マイアミにフロステッドが入りやすいのは、もともとそういう特徴を持った個体群なのだと考えるべきなのだろう)。これがアルビノ化した際に目立ちやすい。改良の方向性は、これを如何に無くし、斑紋内部の色調を埋めること、そして地肌の色をより薄くし、それによりコントラストの美しさを出すことに尽きるようで、色々な人がそれに挑戦している。

 また、別な方向、乃ちフロステッドがより強調される方向での選抜交配も為されており、これはブロッチの中央が白く鬆のように抜けるものとなっている。Miami-Phaseである以上、完全に鬆が消える事はないのだから、むしろそれを長所としてしまえばよい、という考え方は、ある意味ポジティヴと言えるかもしれない。好みは分かれるところだろうが、極まったフロステッドのキャンディ・ケインは、確かに、斑紋内部を均一に赤くすることを目的としたキャンディケインとは目指す方向性は違えども、独特の美しさがあると思う。

Candy Cane female
baby 2year old
Candy Cane female
1year old

iconCandy Cane "Orange"Amelanistic+Miami-Phase+Select


No Photograph

 オレンジ・キャンディケインは、キャンディケインの中でも斑紋内部の赤の色調が、橙色になるものを指す。過去、何人かのブリーダーが繁殖させていたが、近年ではあまり見かけなくなった。欧州など、一部には存在するようだ。
 オスのほうが赤味を帯びやすく、同じ血統から産まれても、メスのほうが橙色が綺麗に出やすい傾向があるような気がするが、一般的なキャンディケインに比べたら橙色が強く、全くの別物となっている。

 基本的に、マイアミの斑紋内部は必ずしも赤い訳ではなく、橙色を帯びた赤がベースであることを考えると、赤ではなく、より橙色が綺麗なものを残して選抜交配していった産物なのだと思われるが、正確な作出経緯はよく分からない。

 一時期こうした形質をクリームシクルを導入することで作出しようと試みられた事があると聞き及ぶが、しかし、写真の血統は、そうした作出をしていないとわざわざ注意書きがされていた。選抜交配により作られたのだろう。実際のところ、別段クリームシクルを入れなくても、この手の色合いはいくつかのアルビノで出てくるので、それらを選抜交配すれば、こうした色合いは作ることは可能だろうとは思う。しかし、実際にそれを実行した人々の初志を貫徹する意志には感歎する。

 しかし、こうしたものが姿を消しつつある理由は、いくつかあるのだろうが、単純にして最大の点は、人気がないということなのだろう。
 本品種の場合、クリームシクルで近似のものが作れることもあって、同じような綺麗さを求めるならばより手軽に入手できるクリームシクルのほうが市場原理として好まれたというだけなのかもしれない。ただ、クリームシクルのほうは、やはり地肌まで含めてオレンジ色であって、これのように地肌が白いものは少ないように感じるが………。

 写真のものは、ピュアコーンによるオレンジキャンディケインであるそうな。

Candy Cane "Orange"
6month female
(LastUpdate:(2010/11/05))