玉蜀黍畑の唄/CornSnakeSongs

iconスノウ/Snow

iconSnow=Amelanistic+Anerythristic-A

Snow (C) 桔梗屋

 スノー、或いはスノウ。どっちでも好きな方で。検索エンジンとかにどちらが引っ掛かるかと言えば、圧倒的にスノーであります。でも管理人はスノウが好きなので、このサイトではスノウと書きます。趣味です。

 "雪"と呼称されるAmelanistic+Anerythristic-Aの二重劣性遺伝表現形。
 1973年に、Glen Slemmer氏が初めて作出したとされるこの変異は、ヘビに於いて、複数の遺伝変異を”重ね合わせる”、多重劣性遺伝表現形が最初に作り出された例でもあるという。つまり、後に続く様々な二重劣性遺伝表現形への先鞭であり、デザイナ・スネークは此の品種から始まったと言えるかもしれない。爾来、コーンに限らず、その生物が持つ色素総てを欠損させる多重表現形(通常、アネリスリスティックとアメラニスティックのコンビネーション。赤色色素がなく黄色色素のみのヘビであれば、アザンティックとアメラニスティックのコンビネーション)はスノウと呼称される伝統が確立しているようである。

 コーンスネークに於いては、模様が白色色素胞として残るものの、他の色調が乗ることはなく、喉の部分にのみ黄色が成長に従って発色するものが、初期のスノウと呼ばれたものの特徴だった。成体の喉元に黄色が顕れるのは、Anerythristic-Aが、完全な赤色色素欠損ではない事に起因するとされる。しかし、この、僅かながら黄色から赤色の色素が残るという要素が、スノウに更なる発展性を付与した。完全に白くなるブリザードが、完成形であるが故にそれ以上変化しなかったのに対し、スノウはどのような色合いを、どのように残すか、という方向性で品種が発展を見る。
 より全身に赤みが残り桜色に色づくピンキッシュ・スノウの発展系としてストロベリー・スノウ、その発展系とされるコーラルスノウ(珊瑚)、模様の赤い部分が黄色みを帯びた淡い碧に見えるグリーンスノウ(或いは、グリーンブロッチ・スノウ)、それらの組み合わせのような外見をしたバブルガム・スノウなど、スノウは一つの品種の中に、更に複数の派生品種を持つ、奥深い品種と言えるだろう。ちなみに、昨今でもサーモン・スノウとか色々出てきているらしい。もう知りませんよ!(逆ギレ)

Snow
baby (C) 桔梗屋 Adult (C) 桔梗屋 Adult (C) 桔梗屋

iconバブルガム・スノウ/Bubble Gum SnowAmelanistic+Anerythristic+Select

Bubble Gum Snow (C) 桔梗屋

 地肌にピンクが強く入り、斑紋部が緑色がかるスノウ。バブルガムの定義では、ブロッチの中の部分がどうなっているのかは聞き及んでいないので判らない。斑紋が無い状態で黄色に染まるものがよいのか(ピンクでグリーンブロッチ)、それとも、斑紋内部の赤が発色し、リング状に黄色の発色があるものが普通であるのか。聞いていた定義は前者であるのだが……

 スノウの選抜交配は、多くのブリーダーがそれぞれ取り組んだ試みであったが、バブルガム・スノウは、その中でも比較的古くから知られているものの一つで、故・Lloyd Lemke氏の手により確立されたものを指し示すようである。

iconシャンパン/ChampagneAmelanistic+Anerythristic


No Photograph

 シャンパン/Champagneは、フランス北東部、パリ盆地東部にあるシャンパーニュ/Champagne地方で作られた発泡酒。白葡萄から作られたものも勿論あるが、赤葡萄で作られていると、ロゼ、或いはピンクシャンパンという仄かに色付いたシャンパンになる。この色合いを連想させるということで命名された此の品種は、Pasco Paul氏のスノウ・ストライプのコロニーから出現したもので、蛍光チックな輝くようなピンクが特徴。オリジナルのシャンパンから、後に同じレベルの個体が作出され、現在に至っている。遺伝性がどういうものかは不明だが、選抜交配とも違うようなので、偶発的な遺伝変異と思われる(それなりの個体数が再度作出されていることから、そう予測されるというだけで、裏付けは別にない)。

 つまり、”シャンパン”と言った場合、スノウ・ストライプであることを同時に指し示すのが普通だった。ただ、昨今は、シャンパンをストライプでない普通の模様のスノウに掛け合わせ、通常模様のシャンパン色の個体も作出されている。シャンパンの色調がストライプ固有のものではなく、通常模様でも再現可能だということを意味しているが、こちらもシャンパン・スノウと名付けられて売られていることがある。その影響か、元々のストライプのものをシャンパン・ストライプというように呼ぶように変わってきている向きもあるようだ。

 余談だが、同氏のChampagneのコロニーから、Confettiが生じた事は有名らしい。

iconピンク・スノウ/Pink SnowAmelanistic+Anerythristic

 Anerythristic-Aは完全に赤色色素が失われる訳ではなく、かなりの部分で抑制されるものの、老成と共にその色素が淡く表面に出てくることがあることは知られていたという。ピンク・スノウは、幼蛇期には見分けはつかないが、比較的若い、一年二年目の時点で、うっすらとピンク色が乗って来るスノウの品種。そうした傾向のものから選抜交配をかけて生まれたセレクトブリードによる品種と言えるかもしれない。作出の経緯が同一かは別にして、その赤さから、ストロベリー・スノウという名称もある(ストロベリー・スノウはイギリスのKevin Stevensの手によるもの(*1))。ただし、ここでいうストロベリー・スノウは、Strawberryとは関係ない。
 ただ、単純にセレクトのみでこうしたところまで達せるかどうかは疑問の余地がある。記録は審らかではないので推察しかできないが、もともと地肌の赤みが強いオケーティ系やサングロウなどの品種を導入したのか、それとも、こういうものを導入しなかったのか?
 それは判らないが、少なくともAnerythristic-Aの中で、赤みが強く出る(それこそ、所謂コーラル・スノウのような発色が乗るAnerythristic-A)というものが存在するようではある。ただ、近年、これらはHypomelanisticと組み合わせてパステル系のゴーストとしても知られているので、まったく別のラインから同じようなセレクトブリードによって作出された可能性も、勿論ある。

 地肌も、斑紋内部も、共に赤みを帯びる。このピンクスノウにHypomelanisticを組み合わせてセレクトしていったものがコーラル・スノウと言われている。

iconコーラル・スノウ/Coral SnowAmelanistic+Anerythristic+Hypomelanistic+Select


No Photograph

 鮮やかなピンク色を持つスノウの品種。赤を強く発色させる取り組みは、様々なブリーダーが試みているが、珊瑚の名を冠するコーラル・スノウはそうした品種の一つ。
 珊瑚虫には様々な種類があるが、この場合のコーラルは、深海に棲息する八放珊瑚の色調を指すのか、それとも造礁珊瑚である六放珊瑚のポリプの持つ透明感のある蛍光色を指すのかは明らかではない。

 元となったスノウは、以前はPink Snowと呼ばれていたものだと云われているらしい(Strawberry Snowとは物自体は互換性のある同じものだと思われるが、Pink Snowは由来がイギリスのもの)。普通のSnowに、単純にHypomelanisticを加えてもこうなるわけではなく、ピンクの強いSnowの特徴を強化したもの。当然、普通にHypomelanisticを加えればSnowの赤さの質は薄くなってしまうだろうから、そこから更にセレクトブリードが必要になったであろうことは想像に難くない。バブルガム・スノウ/Bubble Gum Snowも、地肌にピンクを顕すが、この品種はブロッチの中も薄桃色〜薄紅色になる上に、地肌のピンクがより強く、蛍光を帯びた赤から桃色までの強い発色を呈する。全身が淡く透明感のある不可思議な色調になるのが魅力だろうか。

 コーラル・スノウなどのセレクトブリードの作出過程で生じたのか、作出経緯は詳らかではないが、ゴーストの中でも赤が強く発色するタイプのものがおり、これは上半身に淡い透明感のある赤が発色して大変美しい。名前はそのままCoral Ghostと言うようだが、遺伝子的にHypomelanisticAnerythristicのコンビネーションだけでこうなるのか、それともヘテロとしてのAmelanisticも何らかの意味を持っているのかは、定かではない。

 余談であるが、ピンクスノウとグリーンブロッチスノウを掛け合わせたらどうなるか、という疑問であるが、これが実際のところ、よく分からない。というのも、中間個体が出現するのかと思いきや、普通にピンクのものと、グリーンのものとが生まれることがあるらしいからである。幼体時に区別がつくのではなく、一年程度育ててみないと分からないこともあり、あまり調べる気がしないので、今後もなんか、分からないままであるような気が……<ぇぇぇぇぇ?
 ただまぁ、すごく綺麗なコーラル・スノウは幼蛇の時点でもう限りなく綺麗なので、幼蛇の時点で分からないようであればそれはコーラルと呼べないんではないか、とまでは言わなくても、クオリティとしては高くもないんではないかなぁと勝手に思ったり思わなかったり(雌雄差の問題はありますけどね)。

iconハイポ・スノウ/Hypo SnowAmelanistic+Anerythristic+Hypomelanistic


No Photograph

 コーラル・スノウはセレクトブリードの産物だという。では単にHypomelanisticを加えただけのスノウはどういう外見になるのだろう、というのは常々思っていたところだった。サングロウが、ハイビノではないというのも、この辺りの事柄が気になっていた理由のひとつでもある。普通に考えれば、さして面白味もなくスノウとさして変わらないものが出るに違いない。

 さて、写真のものはそんなこんなで、ゴーストをぼやぼや作っている過程で生まれた。親は共にマイアミの血を絡めたフレステッド系で、赤味が殆ど入らないタイプと、赤味が皆無であるタイプなので、もともと赤味が入る余地はない。スノウにすれば、これ以上ないぐらい赤味の欠片もないスノウになるだろうと思っていたが、全く以てその通りだった。赤の欠片も感じさせないどころか、どこらへんがHypomelanisticなのだろう、と小首を傾げてしまった。
 強いて云えば、少々肌の地色に透明感があるように感じなくもないが、個体差や雌雄差もあるのでシャッフルされたら少なくとも管理人には分かる自信がない。

 コーラル・スノウはやっぱり赤いから綺麗で意味があるわけで、その遺伝子の組み合わせのみにより成り立つに非ず、ですね。今後どうなるかは、ちょっと興味深いところ。。

iconグリーン・ブロッチ・スノウ/Green Blotch Snow Amelanistic+Anerythristic

Green Blotch Snow (C) 桔梗屋

 スノウの中で、斑紋内部が黄色味を帯び、表面にうっすらと蛍光の緑のような、遊色効果の緑色が入るもの。比較的古くから存在は知られており、誰が最初に作出したか、ということはなく、スノウのブリーディングをしていたブリーダーたちのコロニーから並行して発生して来たようである。
 写真では黄色しか分かりにくいが、グリーンブロッチの由来は、鱗の透明な層が持つ光学的な色調によるものが大きいと見受けられる。遊色というべきか、構造色というべきかは分からないが、それほど複雑な構造に由来するわけではないと思われるから、構造色というのは正確ではないだろう。鱗の透過率なども関係しているし、その下にある色素との相乗効果と、光の入り方によりグリーンを呈する。黄色の色素以外の、鱗を透過して見える肌の赤みに対する補色としての緑も、或いは関係しているのかもしれない。
 こうした色が明瞭に見て取れる関係上、地肌の色は白いものとなっている。地肌に蛍光調のピンクが乗るものは、ピンク&グリーンスノーと呼ばれたりする。
 余談だが、グリーンブロッチとは異なるが、黄色の色素がない、遊色のみのものもいて、そちらはグリーンではなく、レモンライムイエローに見ることができる。ザンティック・スノウなどと呼ばれていたが、作出方法がよく分からない。

 ともかく、こうした長い説明が必要になるぐらい、「なんで”グリーン”なのだ?」と疑問に思う人が多いのではないかというスノウである。日本人の考えるブルーが藍や群青であるのに対し、西欧人では灰青であるように、グリーンという言葉の指し示す色がそもそも違うのだ、という説明に逃げてしまうのが一番楽かもしれない(というか、実際そうなんではないかという気もする)。

 遺伝傾向だが、比較的、両親から子へは遺伝するようである。両親がグリーンブロッチであれば、子供の殆どはグリーンブロッチになるという。中にはより黄色が明瞭なものも出てくるかもしれない。
 しかし、片親がグリーンブロッチで、もう片方は普通のスノウであるとか、ピンクスノウであるとか、そういう場合にどう遺伝してくるのかはよく分からない。一世代目の個体の殆どが、グリーンブロッチにならないのは、ほぼ確かなようなのだが、その後、その血統から、再びグリーンブロッチを再作出することができるのかどうか、というところが分かっていない。
 加えて言うと、上記のような組み合わせのとき、折衷というか、丁度中間のものが大半になるだろう……というのは結構浅はかな考えであるっぽい、というのを、最近知ったところ。なんか、いろいろ複雑ですね、スノウは………。

Green Blotch Snow
Adult (C) 桔梗屋 Adult (C) 桔梗屋

iconザンティック・スノー/Xantic SnowAmelanistic+Anerythristic

 キャラメルのスノウという事らしい。

iconスノウ・モトレー/Motley Snow Amelanistic+Anerythristic+Motley


No Photograph

 スノウのモトレー。
 各スノウ品種でそれぞれモトレーが作られてもおかしくはないのだが、そんなに品種は知られていないようで、あまり聞かない。コーラルスノウ・モトレーなんてのは居た気がしますけども、それぐらいでは?

 ただ、別に複数のタイプが存在しないというよりは、色々いるが、区別しづらいので区別されていないというのが現状なのかもしれない。モトレーの効果も相俟って、オレンジ色が強めに発色するものになることが多いように感じるが、これはおそらく管理人がそういう個体を多く見ているというだけなのだろう。

iconルビー・フレックル/Ruby FreckledAmelanistic+Anerythristic+????


No Photograph

 1996年にスノウのコロニーから偶発的に生じた変異。生まれた直後は、数カ所、赤の色が点在することを除けば、外見は通常のスノウと同様であるが、成長に従って赤の面積が増加し、全身が斑の不可思議な蛇になるという。

 Calicoの一形態と考えられているが、鱗は正常で、色素のみに異常(変異)が見られ、色素が表出するに従って浮き出る模様が、通常のコーンスネークの模様と同様であることから、通常考えられるルーシスティックやキャリコとは、やはり少し違う変異である。どちらかといえば、パラドクスアルビノなどのような変異(この場合は、パラドクスアネリスリスティック)ではないかという意見もあるようで。

 1998年に二匹目の個体が、またその後何匹か再度作出されていることから、遺伝継承が起こるとは考えられているものの、その再現条件は単純な劣性遺伝などの法則に従わないという。

 ところで、ブラディ・ラッシュとはどーちがうんですかねー(<調べない気だ!)

(LastUpdate:(2009/11/23))
(*1) A Comprehensive manual by Expert "THE CORN SNAKE MANUAL" by Bill Love and Kathy Love P113