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雨樋式の排水経路を備えた棚の制作方法についての頁です。
素材がたわまない範囲であれば、どのようなサイズでも製作可能なので、様々な棚を似た方式で製作することが出来るでしょう。此処で紹介しているものは、小型のビバリウム向けであるため、構造的にシンプルになっています。素材を選び、たわまないように構造を工夫すれば、横幅1800mmだろうと、もっと大きいものだろうと作れると思います。
この方式のメリットは、前面に排水パイプを出さなくてよいこと。そして、配管をしなくて済むことです。やってみると分かりますが、複数ある水槽の配管を組み替えるのは、何かと面倒です。一個どかそうと思うと、同じ並びのものが全部外れることになり、そのとき水が零れてしまったり………みたいな。
雨樋式であれば、そのラックに収まっているケースをすいっと取り出して、中身などを好きなようにいじり、再び戻すのもらくちんです。今回は小型のもので作り方を紹介していますが、大きいものでつくるとよりよいかな、という気がしています。ただまぁ、大きいものほど、それほど入れ替えたりはしないので、配管でもさほど問題ないような気もしているのですけれども………
材料及び使用工具
・12*910*1820mm合板から、以下を板取
200*1820mm × 2枚
70*600mm × 12枚
200*600mm × 2枚
40*60mm × 12枚
・塩ビチューブ(10mm径170mm長)
・木ねじ(50mm前後)×32-36本、8mm釘
・アクリル水性塗料(任意色)、ハケ(刷毛)、シリコン(任意色)
・電動ドリル(2mmドリルビット、プラスネジビット)
・紙やすり(適宜)
・電動トリマ(ホームセンタ、材木屋によって、加工依頼可能)
■組み立て
支柱に、各段の板を固定する場所を線引きしておき(写真にうっすらと見えます)、木ねじで天板と底板を側面柱材にネジ止め。その後、各段を同じようにネジ止めしていきます。合板なので、下穴をあけたほうがよいでしょう。
写真のように、側板の丁度中程に10mm幅10mm深さで溝切りをします。
■下塗り
組み立てが完成したら、ざっと下塗りをします。最終的に艶やかに仕上げたいならば、サンドペーパでの下処理をした上で丁寧に塗ることが大切。写真は、全然下処理をしないでざっくりと塗ったものです。塗料はなんでも良いですが、多湿環境で使うので、防かび、防水効果のある塗料が良いでしょう。今回は水性アクリル塗料を使用しています。
■ホースの埋め込み
排水経路となるホースは塩ビホースの10mmのものです。長さをあわせて、丁度良い感じに。今回の場合は高さが1830mmでしたので、200mm買って、丁度よい長さにカットです。塩ビなのは一番安価だったからで、なんでも構いません。
ホースはシリコンで埋め込んでしまいます。マスキングテープでマスキングをし、シリコンを溝が半分埋まるぐらいまで注入、その上から塩ビホースをぎゅ、ぎゅ、と入れていきます。
溢れてきた余ったシリコンは、ヘラで綺麗に均して、同時にホースが出っ張ってこないようにしっかり奥まで押し込みます。排水時に空気が抜けるほうが排水がスムースなので、径の細い排水パイプの場合、上をこのように抜けるようにしたほうが上手く抜けます(こちらは最上段にあたる位置)
上手く行けば、シリコンで綺麗に隠れるはずでしたが、ホースをまっすぐにし損ねていたのか、少し見えてしまいました。暖めるなどして、ホースをまっすぐにしておくと、こういう失敗がなくなります。
■雨樋を作る
雨樋方式は、各ケースの排水系を繋がないので、防疫の観点から優れていると言えます。管理人は、だいたいどの棚も雨樋で作ることにしています(最近の話ですが)。
雨樋を受ける板は、丸く切っていますが、普通のコの字型のものでも問題はないような気がします。写真はホールソウで作ったもの。
■雨樋を作る(釘打ち)
木工用ボンドと釘打ちをします。どうせ埋まっちゃうから適当でいいや、ということで切断面にヤスリをかけていないので毛羽立っていますね。こういう細かいところをちゃんとやることが大切だと思う今日この頃です。
■雨樋を作る(塗る)
全体を上塗りするついでに。よくよく考えると下塗りより前に、雨樋を受ける板は接着すべきだったような気がしますね。
■雨樋を作る(縦の排水経路を繋ぐ)
塩ビチューブをカットします。
■雨樋を作る(マスキング)
側面にプラ板を貼っても良いのですが、今回は面倒だったのでシリコンを塗ってしまうことにしました。
■雨樋を作る(乾燥させる)
シリコンを塗って乾燥させたら完成です。写真はちゃんとしたヘラが見当たらなかったので、割り箸かなんかでやったのでかなり見栄えが宜しくないですね。こういった細かいところは、作って後々気になってくるものなので、妥協しないで作り込んだほうがよいですよ、とよく妥協しては後で気になってしまうタイプの管理人は思うのでした。