タイリクスジオ/Orthriophis taeniurus taeniurus CB female 2010.07.27

 蛇の世話をし終わって、椅子に座ってお茶を飲んでいて、ふと、「イワン・デニーソヴィチの一日」を思い出しました。

 ――眠りにおちるとき、彼はすっかり満足していた。一日のあいだに、今日は沢山いいことがあった。どのヘビも置き餌を食べてくれた。先日新規導入した個体がダニを持ち込んだということもなかった。食べた餌を、吐き戻しされなかったし、餌を食べたらいきなり死んだ個体が出たりもしなかった。駆虫薬を投与した個体も無事に駆虫を乗り切って元気になったようだった。さらに六年ぐらいかけて立ち上げた個体がやっと産卵をしてくれた。しかも、産卵された全三個の卵のうちにスラッグがひとつもなかった。
 まったくもって、憂うべくことのひとつもない、幸いといっていい一日だった。

 ―――みたいな?(<いろいろと何かに謝るべきな気がする………)

 ちなみに上は少々脚色してあります。そりゃそうですよ。いくらなんだって、現実がそんな風なわけがない。
 現実は産卵された三個のうちスラグが一個あったり、三個のうち二個が発生に失敗していたり、四個のうち三個がスラグだったりしますからね~

 …………あれ、なんか視界が霞んで画面がよく見えないや。