By: C

5月 14 2012

Category: Dwarf Gecko, Gecko, 雑談

Lygodactylus williamsi/ブルーゲッコー(ハッチリング)/ CB2012

 前回と同じ個体。光を当てる方向で、青く見える部分が幼体の段階でもちゃんとあることが分かります。もちろん、一部がちょっとだけ青く見えるというだけで、オスの成体には遠く及びませんが………。考えてみると、この青、なにに由来しているのでしょうね? 爬虫類だから、黄色素と、構造の組み合わせによるものだろうと、勝手に何となく思っていましたが………。

 成長に伴って一律に色が変化するというのは比較的分からなくもないのですが、同じテリトリ/領域内にいるとき、ほぼ成体にまで育っていても、弱勢のオスが青くならない(中間的に青くなることはありますが)ことを考えると、そう単純なものでもないのか………

 ううむ、その個体がおかれた精神状況が、体色といった肉体構造の状態にまで影響するというのは面白いですね。(肌が荒れるとか、そういうのと同じレベルの問題じゃないでしょうしね、こういうのって?) ストレスからくる病気とか、そういう事とはまた別に。まぁ、カクレクマノミやハマクマノミみたく、その群れの中で一番大きく強いものがメスになる(そしてそのメスを除外すると、二番目に大きかったオスがメスになる)なんてのもいることを考えると、いくらでも事例はあるのでしょうが、なぜか不思議に考えてしまうのは、肉体と精神を切り離す傾向のつよい近代文明に毒されているせいかもしれません。精神がいかなるものであるかは、まだ明らかではないとしても、少なくとも肉体により精神は作られているし、化学反応で精神は作られていて、肉体もまた同じく化学反応で動いているのですから。

 精神を形作るものが肉体であるが故に、様々な精神文化が花開くにあたって、人間の持つさまざまが技術――調理技術や農業技術、開拓技術、建築技術、医療技術――の発展、そして、それらを包括しより体系化して発展させる科学が不可欠でした。人間精神の発展と変化は、肉体が自然における限界まで生存できるようになったことで生じたものであるからです。

 克服すべき環境に、人間は肉体を変化させることではなく、継承できる技術を開発すること――技術を開発することの出来る脳に変化しそれを集中的に発展させることで、生物が数十万世代をかけて克服する問題を、わずか数十年という短いスパンで克服してきたと云えます。そうして生き抜いてきたからこそ、それを成り立たせてきた諸々を人間は尊ぶ。僕らもまた、今なお、世界に挑み続ける生物の一種であることに変わりは無く――人類は、この地球上で、おそらくは初めて挑戦すべき対象として宇宙を認識した生物種ですが――、だからこそ、克服すべき自然環境に、肉体を営々と変化させ続けた、様々な生物種の多彩な姿、性質に、僕らが心惹かれるのは、自然なことであるのかもしれません。獲得した肉体の機能に、自分たちと同じように、生存困難な自然環境や困難に挑み超克し生き抜こうとし生き抜いてきた、挑戦者の精神をそこに見るから。