2013/05/06

Dacelo novaeguineaeワライカワセミ (2013,Queensland,Australia)

 フィールドでの撮影は、欲が出てくるので難しいです。欲というのは、この個体をじっくり撮影するか、それとも、もっとうろついて、他のものも探すか?ということ。
 当たり前の話ですが、隠れているところを発見するのでも無い限り、こうした生き物との遭遇は巡り合わせでしかありません。もちろん、最適な環境には、往々にしてその種が存在するはず、というのは確かではあります。棲息環境を把握していれば、巡り合わせではなく必然として動物と出会えるのでしょう。でも、密度が低い種類では、やはりそれにも限界があります。そうなると、運命を知ることなど出来ないわけですが、それでも動き回ればより見つけられるかも?と思ってしまうのが人のさがです。

 以前、出掛けるときに、ちょっと眠いから、もう少し休んでから行こう、と思って、当初の予定より半刻ほど遅れてだらだらと出掛けたら、出掛けて十五分ぐらいで目的の動物を見つけた、なんてことがありました。当然、最初の予定通りに出てばりばり探すぞ!と思って出掛けていたら、その動物とは巡り会わなかったのでしょう。逆に、他の個体とは出会ったのかもしれません。

 そう考えると、ここでじっくり撮影しようが、撮影しないで探そうが、同じと言えば同じなのでしょう。撮影したから出会えるかもしれないし、撮影しないで早く切り上げたほうが出会えるかもしれない。結果的にどうなるのかは「決まっている」のですが、選べる選択肢が一つであり、選ばなかったものを知ることが人間には出来ないのですから、判断材料にはなりません。

 そうなると、どうにも、やっぱり動き回りたいなー、という気分になってしまうのですよね。日程に余裕があれば、今日はこれをじっくり!とかあるのかもしれませんが、いつも弾丸旅行ですし。ただ、これは結局、焦燥を押さえるのに、管理人個人が動いたほうが楽だと感じるからそうしているというだけであって、そちらを選ぶことが優れているとは思えません。

 帰宅して写真を見ていると、現地では「まぁこれでいいかな」と思って切り上げているのですが、「もうちょっといろいろ撮影すればよかったな」と思うことのほうが多いですね。「これは良い写真が撮影できたな!」と思えたときは、そう思わないのですが、それって過去に数回しかなかったりします。でもまぁ、たぶんじっくり撮影していた場合は、「もうちょっと早めに切り上げてうろつけば良かったな」と思うのでしょう。 満足しないものです。

 いちおう、妥協点としては、短時間で満足のいく写真を撮影する、というところでしょうか。ただ、これには技術が必要で、そこまで習熟するのは難しそうです。プロならば、そういうことも出来るのでしょうけれど。