Hynobius kimurae (Kyoto,Japan,2014.03)

暈(かさ)というのは、halo、ハロー、あるいはヘイロー、太陽や月のまわりに、雲がわずかに立ち籠めたとき、それらに含まれる微細な氷の結晶がその光を屈折させることで、それらの周囲に現れる、うすく輝く光の輪のことです。

大気光学現象のひとつで、原理としては光の屈折、乱暴な言い方をしてしまえば虹のご親戚です。虹ほどには綺麗に分光しないで、白く見えてしまうことのほうが多いのですが…………。

月暈の暈は、かさ、と読むこもありますが、うん、と読むこともあります。
月暈とか、日暈は、つきがさ、ひがさ、と読んでもよいし、げつうん、にちうん、と読んでもよいらしいですね。
個人的には前者を使っていますが(まぁ、韻もあるからケースバイケースかなぁ)……………普通に考えますに、暈という文字は普段はあまり使わない部類の漢字かもしれないですね………普段使うのは眩暈(めまい)、暈かす(ぼかす)、ぐらいな気がします。ぼかすは、あまり漢字では書かないかな。でも、涙で視界がぼやけたとしたら、それはやはり涙の屈折による光学的なものなので、そういう場合は眩暈を使ってます。<どんなときに使うっちゅーねん

暈色という言葉があって、これは鉱物の中で、虹色のような煌めきを持つもの、たとえば黄銅鉱のピーコックオアであるとか、そういう色とは表現しづらい色を指すもの、だとか。昆虫にも多そうですね。

この卵塊の輝きは光学現象がもたらすものでしょうし、その玄妙な美しさを鑑みれば、このヒダサンショウウオの卵嚢の色も、暈色と呼んで差し支えないんじゃないでしょうか。