アルミパイプフレームでヤドクガエルのオタマジャクシ育成棚を作ってみた。

 珍しく、作ってみるかなぁと思ってから、そんなに間を空けずに製作してみました。前々から、なんとなく欲しいなと考えていたというのもあるのですが。

 マンションで製作しようものなら、階下の人から苦情が来て惨劇が繰り広げられること必至な、ゴムハンマーで樹脂ジョイントを叩き入れてアルミパイプフレームを繋ぐ、当サイトでは過去に何度か出て来ている、高野軽金のP/Cパイプシステムですが、そのぶん、丈夫なので、ちょっとぐらい水が入った程度のコンテナも、今回のような微妙な構造にしてもなんら問題なく使えます。
 このサイトでは数年前から、おそらくメーカとしてはこんな用途は想定していないんですが、という風に使われるさまをたまーに紹介しておりますが(過去、アルミフレームのビバリウムやテラリウムとして紹介してますなー。初代はとある水族館に送られたので、カエルとか好きな人は見掛けたことがあるかもしれないですねー)、今回も例によってそんな使い方です。

 今回の工作における問題はとにかく、組み立て時の騒音と、ゴムハンマーを使っていても腕の関節が痛くなるぐらい組み立てがたいへん、ということでしょうか。組み立て箇所が多いので、手首へかかる負担が半端ないのです。適度に休みを入れるべきだし、できればテーピングとかするべきです。
 そして、そもそも借家でこんなの作ったら床板の危機でえらいことになります。取り敢えず、アスファルトやコンクリのところに出て、衝撃吸収用の分厚いブタジエンゴムか、適度に衝撃を吸収してくれる端材、あるいは雑誌などを敷いて製作するとよいでしょう。屋内で組み立てるのは絶対に諦めたほうがいいです。床板が凹むはず…………(もちろん試したことはないけど、でもツーバイフォーとかの端材を台にすると、ものすごい凹みますから、間に端材や雑誌を挟んでおいたとしても、床板ぐらい余裕で凹ませちゃうと思う)
 大丈夫、外で何作ってるのですか?と聞かれたら、「オーディオラックです」とか「ショーケースです」とかぼけておけばいいんですよ。少なくとも後者は嘘ではない(そうか?)

 作ってみて思ったのですが、ちょっと部材の選択を間違えた感ありますな。そのへんのことはつらつら書きますので、あくまでこれは習作だということでひとつ………けっこう高くつくのは分かっていたから、習作にするつもりはなかったんですが(苦笑)

 それにしても、自作の作業台の化粧板が汚れてきたなー。
 この汚れの原因は、色付きのシリコンや、ポリウレタン樹脂、カラートナーやらでして、拭いてもとれないんですよね、これ。そろそろ全体にサンドペーパかけてメラミンでも貼ろうかな…………
 ちなみに周囲にごちゃごちゃ写っているのは、「低発泡塩ビ板で作ってみるビバリウム」と「600*450*450ガラス水槽(コトブキのレグラス)を分解改造してガラスビバリウムにする」を平行でやってたせいです。

 まぁあれですよ、「こんな風に散らかっていても平然と写真を出していいのか…………」「散らかってると思ってたけど、あそこの人よりかはマシだな」という感じで感嘆するとよいとおもう?

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 何をミスったかというと、上の写真のアルミ材の選択です(まぁ、そもそもコンテナの選択からして間違えた感が現在はしていますが………)。P/Cパイプシステムには棚板を受けるためのハネがついているB-2と、ハネのないB-1というシリーズがあります。片側だけで排水用トレイを受ければよいだろ………ということで、中央と片側はB-1を選択してしまったのですが、これだと棚の通気性が少々よすぎて、水が蒸発しやすいです。まぁ設置場所にもよるでしょうが…………冬とかはちょっとなぁという感がある。
 管理人さんは比較的放置で育成するタイプであり、毎日水を加えたりとかそういうことはしていないので、これは困る。まぁ、もともと、通気性が良すぎるなぁというのは気付いていて、あとで側面全体を覆うガラスでも貼りつければよいか………と思っていたのですが、作ってみて、そんな作業は面倒この上ないし、単純に棚板の部分で板を載せてしまうほうが簡単だな?と作った後で思ったのでした。

 このシステムはいちど組み立てると外せない仕組みなのであとの祭りですけどね!(もちろん、ハネのないB-1のほうがハネ付きのやつよりは安いので、好みで選べばよいと思います)

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 これが一段になります。
 ただ、もしこの段の全部の部分にハネを出そうとすると、中央の部分の、棚の奥に当たるパーツだけはハネを出すことができませんね。
 というのも、コンテナを受ける予定のハネは、B-2とB-3の二つのタイプしかないのですが、排水用トレイを受ける関係上、10.5mmの部分のほうが上に来るようにして組んでいます。したがって、B-3で組もうとすると噛み合いません。まぁ見える部分でもないので、ここはハネなしってことでもいいのではないでしょうか。

 写真では長辺は、B-2とB-1一本ずつになっていますが、普通にB-4を二本で組み立てればよいでしょう。

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 さて、今回製作したのは容器としてはコンテナを使って作るもので、アルミフレームはコンテナを納めるラックとして作られています。
 コンテナを単にオーバーフローの排水が出来るようにしたものなので、普通の小物ケースみたいなものでも良いのでは?という話になると、まぁその通りですなーということになります。衣装ケースとかだと、穴をあけるだけで下まで水がばしばし落とせますしね。
 ただ、今回のもののほうが、大きいので一段に沢山管理できるというのがメリットでしょうか。奥行きを上手いこと使えるといいますか。
 単にオーバーフローを出来る様にしただけなので、水を給水する仕組みを組み込めば、自動で換水することもできなくはないでしょう。ただ、管理人はヤドクガエルのオタマは個別の水で育成するのが好みであるため、そうした作りにはなっていません。
 ただまぁ、オタマの育成容器の側面の上のほうにホールソーで穴をあけ、鉢底網を貼りつけるなどの改造を施し、水が上から加わったらオーバーフローで水が出るような感じにするとか、そういう風にして、自動で加水していくとか、そういうのを作るのもよいかもしれませんね。16mmあるので、シャワーパイプを各列に仕込んで、ポンプで定期的に加水するという手法もできるはずです。そうしたシャワーパイプを固定しやすくする意味でも、やっぱりハネがあったほうがいいですね。

 なんで組み合わせ考えたときのぼくはそう思わなかったのだろうか…………orz

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 中央の奥にあたる部分はB-2のハネをつかってコンテナを受け止めます。L字アングルを接着や、リベットで止めるという手もありますが、面倒なのでこれで良いのではないかな。

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 段を重ねていきます。このコンテナはアイリスオーヤマのBOXコンテナシリーズのB-15というものです。
 外寸が、B-15:幅約51.5×奥行約37.2×高さ約10であり、今回は一段にあたる縦のアルミを105mmでとりました。
 もうひとつ大きいサイズのB-23というのがあって、B-23:幅約61.2×奥行約43.9×高さ約11になっています。奥行きが60mmを超えると設置場所に差し支えたので、今回はこっちでは作りませんでしたが、管理数が多いならばこっちで作ったほうがよいかもしれませんね(そのぶんちょっと重くなりますが。中に入れる個数あるいは水量から重量を推測してみるとよいかと。ていうか、うん、実はB-23で作ったほうがよいと思います。いろいろ使えるものが多くなるから…………農業資材のアレとか)。

 ちなみにB-15だと300ccぐらいのタッパーウェアが1段に16個、もうちょっと小さいものだと20個ぐらい入ります。けっこう苦労して作るわりに、5段で100匹ぶんしか管理できないのですな………やはり、もう一個作らなきゃダメかな。ただ、管理人ところはもう設置場所がないので悩み所です………

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 こちらは底にあたる段のもの。
 天板にあたる部分は、奥のところをB-3にしました。ガラスを切って天板にするつもりだったわけです。4mmガラスならばそれなりに丈夫ではありますが、しかし、換水用のポリタンクを置くには、ちょっと耐久性に不安の余地がなくはないです。いまのところ問題はないようですが(ちなみにポリタンクは改造して自動貯水にしました)
 裏側にして使い、5mmぐらいのガラスを使うという手もありますが、そうするとコンテナを受ける部分をアングルで自作する必要が出てくるでしょう。まぁ、ポリタンクを上に載せたい、とか思わなければ問題ないかと思います。

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 ハネがある側の側面をみたところ。

 五段というのはコンテナを設置する段の話で、実際には一番下もあるので六段です。このエリアの高さをどうしょうか悩みましたが、結局同じサイズのコンテナを入れることもできる105mmとしました。

 一番下のところは餌やメンテナンス道具を置く場所にすればいいか、とか考えたからです。ただ、四角くしちゃったので、写真のにはコンテナを置く足場になるパーツがないわけですが、塩ビの板を適宜張り付けて足場(レール)にすることができます。
 管理人は一番下の全面を、排水の受け皿として使うことも考えたため(棚の背面から流し込まれる感じ)、こうした構造になりました。

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 さて、こんなパイプで棚を組んだだけでは、わざわざこんな構造で作った意味がありません。ということで排水トレイの設置です。
 アクリルは水で反ってしまうため、こういう場合には不適当です。そこで今回は塩ビ板を使いました。ガラスで製作することも考えたのですが、5mmの高さのガラスを切り出すのが面倒そうだったからです(不可能ではないですが)。ただまぁ、塩ビ板でも自分で切り出すのは存外たいへんです。スライド丸ノコが必要だし、普通の場合はオーダーカットしてもらうべきです。
 特に今回はトレイとして設置できる高さが10mmしかありませんから、精度がものを言うのです。

 板厚は5mmで作ってしまいましたが、3mmでもよかったかもしれませんね。それならば排水トレイの高さに余裕ができます。反るのが怖かったので5mmを使いましたが、接着しちゃえば関係なかったかな。ただ、今回は填め込んではありますが、接着はしていません。掃除や消毒しやすいように、そうしたかったのです。
 排水エリアの高さが5mmしかないのですが、計算上問題なさそうだと思いましたし、実際問題なかったです。
 
 実は、もしも5mmで排水がいまひとつ上手くいかなかったら、分厚い樹脂の側面にガイドになる溝を掘るか、板を組み合わせてハネの部分に横からスライドして入れるタイプのトレイを作ることを考えていました。
 あるいは、ハネをなくして、最初から板のところに貼りつけちゃうという手もありますね。それならば高さが10mmではなく、15mmぐらいのを作れますから、水がたまるエリアとして10mm使えます。自動給水するスタイルの場合は、そうしたほうが安全な気がしますね。このへんは、給水するポンプの吐出量を調整したり、排水系の排水能力などから適宜計算したほうがよさそうです。

 ところで、オーバーフロー方式として考えるならば、そもそもトレイを設置する必要はなく、上から下まで水を落とすという手法が使えます。上の段は下の段に水をただ落とせばよいだけでしょう。かなり簡単にできますし、そのぶん安くなりますね。オーバーフローではないとしても、下段に水をそのまま落とすだけという場合でも、上から必ずメンテナンスするように運用すれば、トレイなしで作ることができます。

 ただ、それだと、たんなる衣装ケースに穴をあけたのと同じような感じになってしまいますから、なんかわざわざ作らなくても、プラスティック衣装ケース棚に穴あければよいんではないの?感はありますね。小さいものだとその通りなのですが、大きいものになると水を貯めると衣装ケースの棚は樹脂製なのでたわんで来てしまうものなので(まぁ管理人が使ってみたやつがやわいのが多かったというのもあるかもですが)、それなりに作る意味はありそうです。水を単に捨てるスタイルならば、衣装ケース棚でも丈夫なやつならば作れそうな気はします。作ってみたことはないですが。

 コンテナのようなものであれば、水を貯めるオーバーフロー方式であっても作れます。上から水を注ぎ、下の段にどんどん落ちるようにすればいい。
 ただし、オーバーフロー方式だと、ケースは大丈夫ですが、ラックの耐荷重の問題が出て来そうです。水を5cm貯めた場合のコンテナの重量は、概算で433×315×50=6819750、約7kg弱ですから、五段あると35kg近くになります。この重量を、今回の構造で保持できるのかどうかは強度が公表されていないので分かりません。まぁ、これぐらいなら、なんか行けそうな気もしますけどねー。25mmのタイプなら余裕そう。

 それから、オーバーフロー方式の場合、引き出すときや戻すときの衝撃で、水がぱしゃんと裏とかに零れてしまうため、背面と側面に樹脂板やガラス板をシリコンで固定し、底面から排水するようにしないと実用的ではなさそうな気がします。もっとも、このへんは運用で解決できる話かもしれませんが。衝撃を少なくするにはスライドレールを使えばよいかもしれないですが………どれぐらい錆びないかまでは分からないし…………うーん、まぁ、誰かがオーバーフロー方式の棚を自作するのを見て、参考にさせてもらおう(笑)

 塩ビパイプをコンテナに固定する関係上、ネジ込みの塩ビパイプを使う必要があるでしょうから、出っ張りが横棒と干渉してしまうでしょうが、そこは側面から入れるようにすれば解決できるでしょう。ずっと工作も簡単にできます。

 しかしまぁ、管理人は好みの問題ですが、トレイで排水を受けて、排水する方式にしたかったので、今回のようなものを作ることにしました。もしもオーバーフロー方式を作るとしても、やはりトレイで排水を受けて捨てるスタイルにすると思います。
 このへんは好みでしょう。なんていうか、管理人自身が経験した訳ではないのですけれど、話に聞いているだけですっかり怖くなってしまっておりまして、水系はなるべく分断するようにしているのです。排水系も定期的に直接接続しないようにしたり、ミスティングシステムもブロックごとに逆止弁を入れるよにしたり。

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五段分組み立てたところ。
アルミパイプの棚を受けるハネは垂直に出ているわけではないですから、棚に当たる角の部分を面取りしてやる必要があります。今回の板は135mm*490 mmというサイズなのですが(アルミの横の長さが120mm、ジョイントの陰になる部分が16mm分だったので15mmとしました)、長辺を2mmほど短くしてもよいかもしれませんね。多少ズレるでしょうが、ちょっとシリコンとか両面テープで動かないようにすればいいだけですし。

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 面取りしたので、綺麗に填まっています。長さ丁度で作ったのでがちっと填まる感じ。面取りが面倒な場合は、1mmぐらい寸法を短くつくればよいでしょう。あるいは、ガラス製だと自動的にそうなりますか。
 棚の支えとなるハネの端が、外側の部分でも45度カットされているのは、ちょうどその部分が、16mm塩ビパイプを貼りつける予定の場所だからです。

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 上の段から下の段へ伝わせるために、トレイの隅に14mmで穴を空け、塩ビパイプを接着します。塩ビパイプが接着しやすいという意味では、塩ビ板でトレイを作った意味があったかもしれません。長さはほぼぴったりよりちょっと短めの、109mmぐらいです。

 棚になったとき、手前と奥になる両端にそれぞれ排水パイプを設置しました。トレイの厚さが薄いからです。もしトレイを15mmのもので作るならば、片方だけで十分かもしれませんね。その場合は奥だけに作るようにすると見栄えや、コンテナとの干渉を考えなくてよいのでよい気がします。

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 一番下の段は、受け皿となるトレイ、あるいは今回などは全面にぴったりはまるものを作ってしまい、排水系に繋ぐ為の塩ビパイプを接着しました。エルボにするかストレートにするかはお好みで。写真の異径ストレートを使ったのは、単に余ってたのがあったからです。最終の排水へ接続される口径は、できれば排水が前後の二箇所から行われたとした場合でも余裕のある排水能力を持たせておきたいところですが、今回はオーバーフローでもないし、オートで排水もさせないし、大丈夫だろう、とたかをくくることにしたのでした。

 尚、一番下の排水を受けるトレイはケース全面のものになっていますが、これは、このラックを設置する場所がビバリウムの隣で、排水系が棚の下に位置することと、他にもプラケ改造ビバリウムとかからエアチューブを使って排水を持ってきて、このトレイに後ろのほうから入れちゃって排水しよう、みたいな様々な心づもりがあってこうなっております。オーバーフロータイプを作るのなら、やはりこのような全面タイプのトレイを作ることになると思いますが(そういう意味で、オーバーフロー方式は作らないと思うけど、もし作ることになったときに転用できるよーにしとこー、というのも少しある)

 そして、そもそもこうした理由がない場合は、一番下の段のパイプをちょっと短めにして、普通に塩ビパイプを繋いでいって排水系として接続していけばよいのではないかと思います。ケースバイケースで?

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 精度良く組み立てれば、塩ビパイプはほぼ垂直に棚から落ちることと、端がほぼ丁度よく出来ていますから零れる心配はないのですが、やはり多少歪むこともあるかもしれないし、切断面のけばとかで思いもよらぬ動きをすることがあるものなので、ガイドを作ります。
 写真は1mmで100円しないぐらいの安価なチューブ。14mm径のものです。塩ビパイプの内径に填めます。

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 こんな感じ。案外適当な切断面ですが、こんなものでも十分な働きをするのです(苦笑)
 この出っ張った部分が、トレイの角の部分に当たる感じです。90度ぶんあれば十分な気もしますが、120度ぶんぐらいあったほうがよいかもしれません。

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 出っ張りの部分を角のところにひっかける感じで。
 アルミの枠のところにある黒いのは、樹脂ジョイントの破片なわけですが、これを取るのがそれなりに面倒です。パイプが入るのを残り1mmぐらいを残したところで一端止めてカッターでカットとか出来ればよいのですが、後半はけっこう力強くやらないとちっとも入らないので、ガンガンやるしかなく、そうなると結局最後まで入ってしまうのでした。爪とか固いプラスティック(例えばアクリルの端材)とかで引っかけてやれば、そこそこ上手く取ることもできますが…………

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 コンテナのほうは、奥のほうに穴をあけます。排水される速度が各パイプよりも速くならないサイズの穴をあければよいでしょう。今回は前と後ろに排水口があり、それと径が同じ(14mm)の穴をあけてみました。

 空ける場所は、今回の構造だと一番奥で問題ないようです。写真はコンテナを引き出し、重量で斜めになる感じで棚に引っかけた状態です。排水トレイの端よりも奥に排水孔があるので、この段階でも水は零れません。ここまで引き出して作業できると、かなり楽ですね。
 ひとつ手前に穴を空けちゃった粗忽者がいるよーですけれども、そーゆー場合はあれだ、養生テープとかで誤魔化しましょう(苦笑)
 ゴム栓でもよかったのですが、下に出っ張るし、オーバーフロー方式じゃないから、取り敢えずは養生テープで実用上問題なかったので気にしない方向で。穴あけちゃうと後戻りできないですから、みなさん努々、よーく考えてから空けましょうね、ほんと…………(経験者は語る)

 メンテナンスの流れとしては、60メッシュか40メッシュぐらいの茶漉しや、それぐらいのメッシュを側面、あるいは底面につけて足をつけたタッパーのようなものを用意し、そこに流し入れるようにして水をコンテナ内部に捨てていってしまい、その後餌と水を与える感じです。このメンテナンス方法である関係上、ひとつの棚(コンテナ)は同じ水系扱いになりますが、まぁ同じビバリウムから得られた卵を同じ段に入れれば同じことなので、それでよいのではないでしょーか。

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 コンテナの底面というのは平坦ではなく、その作りの関係上、中央部分が凸になっており、内部の外周部分に向かって下りになっていることが多いです。そのせいもあるし、多少余裕のあるサイズでもありますから、このようにタッパーを並べても、タッパーが排水を阻害することはありませんが、ぴったりくっついてしまうようならば、下に鉢底網や足場になるようなもの、例えば蛍光灯用の格子状のプラスティックルーバーとか、そういうのを敷くとよいかもしれません。ただそれだと大がかりなので、結局は水がちょいちょい流れればよいわけで、鉢底網なんかをホットボンドで軽く接着するだけでもオーケイな気がします。
 ちなみに管理人はどうしているかというと、この使っているタッパーウェアは底面がフラットではなく、四隅に足があるタイプなので、穴の真上にあってもじわじわと水が排水されるという感じになっているのでした。

 尚、コンテナは格子状の補強部分があるため、その中央に穴を空けてある以上、水が必要以上に垂れる心配はないようです。

 とはいえ、まだ使用を開始してからそんなに時間経っていないので、追々欠点やら改良点なども見つかるかもしれないので、そういう意味でも習作とゆーことでー。

 こうして苦労して作った割りには80-100匹の管理というのは、なんか帯に短し襷に長しな感が拭えないものの、まぁ、そのへんは何個も作っていけばよいんじゃないでしょうか。何個も作るのたいへんだけど! 主に手首への負担がやばい…………………まぁ、大きいの一個つくったほうがいいかな、やっぱり…………。

 管理人の場合は設置場所の理由から、五段で縦にひとつの棚を作りましたが、ジョイントに四方位に使えるジョイントなどもありますから、これを二つ繋げたものも(排水トレイは接続部分、つまり中央につくる)、簡単に作れるでしょう。

 もちろん、もっと大きいコンテナでも作れるでしょうし、透明である必要性があんまりないと思うのなら(管理人はいちおう視認性を重視したんですが)、農業用とかで売ってるバットとか、とろ船とかで作っちゃうのもアリかと。なんとなく、「やっぱ大きいやつのほうがいいし、視認性重視しなくてよかったかもな…………」とか思っていたり。自作して使用してみると分かることってあるよね…………(遠い目)

 いちいう今回使ったパーツと寸法を並べてみますと(ハネとり、或いはハネカットとは、ハネの端を45度の角度でカットすること)、

B-1 120mm * 15本
B-2 120mm * 15本(ハネとり)
B-1 490mm * 5本 
B-2 490mm * 9本(ハネとり)
B-1 105mm * 24本
B-2 392mm * 3本(ハネとり)
B-3 392mm * 1本(ハネとり。あるいは、二つあるハネのうち、片方の両端のみをハネとり。一番上の段の奥のパーツ)
BJ-6 40個
BJ-4 8個

 というものでした。
 しかし、管理人がこうすればよかったなぁ、という感じに作るならば、

B-2 120mm * 30本(ハネとり)
B-4 490mm * 10本(ハネとり)
B-2 490mm * 4本(ハネとり)
B-1 105mm * 24本
B-2 392mm * 3本(ハネとり)
B-3 392mm * 1本(ハネとり。あるいは、二つあるハネのうち、片方の両端のみをハネとり。一番上の段の奥のパーツ)
BJ-6 40個
BJ-4 8個

 かな。
 もちろん、寸法にはもうちょっと詰める余地があるような気がします。今回は横を120*3+16*2=392としているわけですが、横の余裕が多少あるので、もっとタイトにしてもよいかもです。経験上、左右の余裕は5mmではなく10mm見といたほうが何かとスムースだったので、製品外寸の372にプラス20にしたのですが、プラス16mmにしておくぐらいが良かったかもですね。そうすると棚の外寸が丁度420mmになるし…………

 今回の棚は、調べてみれば分かりますが、あんまり安くないです。素材が高いものですので。
 しかしまぁ、過去、木とか、安い素材を駆使して色々作った割りには、三年ぐらいで厳しくなって五年は持たなくて、結局他の素材で作り替える必要に駆られるということを何度か経験した管理人としては、ここはばしっと長持ちするようなので作ることにしたのでした。あのですねー、素材の価格も重要だけど、結局は人件費(というか工作に要する時間)は同じなので、同じ作るならホント長持ちするちゃんとしたので作るべきですよ…………まぁ、それだけに、良い素材使って作ってみたのが失敗作だったり、作ってみたら「やっぱこういう構造のほうがよいではないのか…………?」みたいな感じで改善点とかに気付いちゃうと、ダメージが数倍なんですけどね!ヽ(´_`)ノ

 あと、今回書いた構造だと、コンテナを左右で保持する部分がないです。背面しかない。つまり、正面から見たとき、左右にものが置かれていないor側面の板を設置していない状況では、斜めにも差せてしまうため、間違えると排水トレイに上手く乗らないこともあり得ます。
 このへんは、排水トレイを置いてあるハネの部分の下に、Lアングル(アルミでもABSでも)をシリコンや両面テープで接着するなど、いくつか解決策はあるかと思います(今回のはそういう意味でも反対側にハネがないからメンドイな…………)。接着できる場所が手前と奥のわずかなハネの部分だけなので、強度を鑑みると、アルミ不等辺アングルを使いつつ、シリコンで接着するのが確実でしょうか(多湿環境だから。リベットでもいいですけど)。あるいはまぁ、その方式で側面にガラス板なり、塩ビ板なり、なんなりを貼りつけてしまってもよいでしょう(視認性を考えると、なんとなくガラスがよさげかなぁと思わないでもない。発泡スチロールとかだと、ぶち抜いてしまいそう)。

 今回は棚を含めたすべてを高野軽金のP/Cパイプシステムを使いましたが、正直、この程度の重さであれば、アルミLアングルをリベッターでかしめた棚でも作ることは可能ではあると思います(今回の記事を一気に無意味にする発言w)

 ただ、後日紹介しようかと思いますがアルミアングルをリベッターでかしめて棚作るのって、すごい面倒だったです…………もっとも、枠をまずアルミパイプで作ってしまって、そこにリベッターでアルミ材を取り付ける方式ならばかなり楽にできる気がしますが。たぶん、この方式が構造的に正解だった気がするな…………そのほうがコスト的には安いし………今回は、どうせ排水系を仕込むわけで、アルミLアングルよりこっちでやってみましたが(実は、ちょっと見栄えを気にしたのですよね(トレイが片方にだけ見えることになるので)
 うーん…………Lアングルとかでコンテナを受ける場合、コンテナ自体が違うメーカの、こう、フチが取っ手タイプではないようなやつのほうがよさそうですね。そのほうが引っかけやすいし。こう、上のフチとかがまっすぐなやつ。次回作はそっちで作ってみよう………<もう既にこの構造に見切りを付け始めております。いや、まぁ、両方つくってみて比べるしかないですから………

 此処に書いた寸法で作ったものは、普通のドアを易々とくぐりますので、移動もそんなに難しくはありません。ですが、大きいものを作る場合は、部屋から部屋への移動が不可能なものになってしまうこともあるでしょう。そういう場合は、さらに高くつきますが、NIC Autotec,Inc.アルファフレームであるとかの、解体可能なものが検討対象になるかもしれませんが、ざっと計算しただけですが、たぶん1.5-1.6倍ぐらい高くつくんじゃないかな。
 (あと、アルファフレームのボルトってSWCHのクロムメッキとかSUSっぽいんですけど、ネジ止めしたときにメッキ削れないのかな………多湿環境での使用になりますが、接触面からなんか錆びたりしないんですかね。SUSはメッキの問題はないですが、浸食しないのだろうか………外に出ている部分はハヤコートとかラッカーでカバーしてしまえばよいでしょうが。まぁ、使用したことないのでよくわからん………)。

 ふむ、そういう意味でも、まだちょっと煮詰めが足りないか………試用してみて詰めていくしかない気もしますが……………
 ただまぁ、水を捨てに行かなくてよいというのは予想以上に楽で、メンテナンス性は良くなったので、製作時間と経費はそれなりに必要でしたが、一年二年使用していくなら、十分もとはとったかな、と思います。取り敢えずそう自分に言い聞かせて、次回のクレジットカード支払い日に怯える今日この頃だったり…………