Dendrobates tinctorius “tumucumaque” (2015.11)

 
取り敢えず検疫はクリア。といっても、一ヶ月間、検疫用の隔離ビバリウムで様子見したというだけで、薬品を使ったわけではありませんが。

経験上、ヤドクガエルの場合ならば、一ヶ月生きたならばほぼ問題はないと思いますが、まぁ、いろいろな感染症がありますから、確実ではないでしょう。

たとえばWCのカエルだったら、普通に内部寄生虫はいますし。同じケースに入れておきゃ、そりゃうつるでしょうし。そうなると後々ってことがあるかもしれません。まぁ、これは場合によっては必ずしも即、致命的というわけではないようですけども(でも、CBがあとから寄生虫もらうとけっこう重篤になることもあるとか聞きますが、よく知りません)。反面、駆虫にはむろんリスクが伴うわけですが、それでも駆虫してしまたほうがよいというのが管理人のスタンスです。うちではヤモリだろうとヘビだろうとカエルだろうと、原虫は基本、駆虫しますし、ヘビの場合は様子を見つつなるべく線虫もやることにしています。といっても、昔の話で、最近はヘビのWCなんてそんなに入手しませんけどね。でもGoniurosaurusとかはだいたいWCですからね、ちゃんと駆虫しなきゃだめ(もちろん、ちゃんと駆虫してくれてるショップさんもありますし)。

そういうのはまぁおいといて、ここでいう一ヶ月生きてたら問題はないというのは、けっこう致死率が高くて感染力がものすごい強い危険すぎるようなのは大丈夫ではないか、ということです。というのも、致命的なやつの場合、ヤドクガエルなどではけっこう早くに結果が出るというか、致死率がやたら高いので、罹患してたら長くても2-3週間ぐらいで全部死ぬか、症状が出てくるため、まぁそのへんの危険なやつは大丈夫なんじゃないかな〜?というのがわかるのが、一ヶ月ぐらい、ということです。もちろん、途中でなんか調子を崩したのが出てきたとかですと期間は伸ばさないとダメと思いますけど。当たり前ですが、カエルの種類によって違ってくると思われますが、管理人はヤドクガエル以外はあんまり飼っていないので。

ヤドクガエルの場合で致命的な真菌が原因となるものによってはイトラコナゾールとか使うと治療できるという話ですが(→これによれば0.01% イトラコナゾール溶液(抗真菌剤イトリゾール®内用液1%、ヤンセンファーマ))、強力だから何でもかんでも使えばよいというものではないでしょうし(あと、治るのであればどうでもいいことですけど、けっこうよいお値段します)、あたり前ですがウイルスには効かないから、やはり隔離検疫の必要性は変わらないんじゃないかな。

土や植物、水草由来でなにか来ることだってありえますしね。管理人は用土やマテリアルのコルクや流木なども、煮るか、数ヶ月ぐらい水を交換しつつ流して寝かせるか、植物も最低でも三ヶ月ぐらいは検疫することにしてます。まぁ、煮ると地中のよいものも一網打尽にしてしまうので、難しいところなんですけど。
ちょっとやりすぎ感ありますけど、こればっかりはですねぇ、いちど破滅的な危険ってやつを目の当たりにしたことない人にはわからないかもしれないですが、いちどでも経験した人にはわかってもらえると思います(苦笑)
管理人はもともと排水系は分けていたし、隔離検疫をしていたので、そこまで破滅的なのって経験はないんですけど、検疫してたやつが壊滅って経験はあるのです。そしてそれで十分でしたですよ……(遠い目)

そんなこんなで、このへん管理人自身もやってはいますが、隔離検疫以外の物事については、所詮受け売りでございまして、そもそもこのへんの知識なんて数年前で止まっていまして、最新のことは知りませんので、当たり前ですが、必要な場合は獣医師に相談されるのが一番かなと思います。

(ちなみにリンク貼ってるけど、管理人は、一方的に存じ上げているだけで、田園調布動物病院に行ったことはないのであしからず。でもワイルドスカイさんだとこちらをオススメしていたはず。昔はワイルドスカイのサイトにも書いてあったと思うのですけど、記憶違いかな?)

ref&Link:
・Nichols, D.K. and E.W. Lamirande. 2000. Treatment of cutaneous chytridiomycosis in blue-and-yellow poison dart frogs (Dendrobates tinctorius). In: R. Speare (ed.), Proceedings: Getting the Jump on Amphibian Disease, Cairns, James Cook University: 51. www.amphibians.org/wp-content/uploads/2012/05/Froglog46.pdf

外来性両生類におけるカエルツボカビ(Batrachochytrium dendrobatidis)の疫学および臨床学的研究https://az.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=4058&file_id=20&file_no=2

田園調布動物病院