Goniurosaurus yingdeensis CB2015 (2015.11)

 

インドー

とくに何も書くこともなく、しらーっとこのサイトで使い始めているこの単語。インドートカゲモドキのインドー。

しかし、これを見て、”インドー”全部で「地名」だと思える人がどれほどいるでしょうか。これは中国の広東省にある市の名前なんですけども。

インドートカゲモドキだと、ぱっと見、なんかトカゲモドキっていう地名があって、「インドとトカゲモドキっていう地名の場所との間の線路のこと?」という感じしちゃったりしませんか。

インドートカゲモドキ間を2時間で結ぶ高速鉄道!みたいな。

そもそも、インドーで検索してヒットするかっ!という話ですよ、検索性とか考えていただきたい。

でも、広東省の英德市は、日本語への転写では、「インドー」ってことになっているらしい。どういう原理そうなったのか………。いやもう、ここ数年ずっと、それこそyingdeensisを入手するよりも前から、このインドーってどうなん?というのは引っかかってました。だってかっこよくないじゃないですかっ<ぉぃ

インドは英語だとIndiaなのですが、英德はYingdeです。発音としてインのンがちょっとこもって(ンだからでしょうか)、ドがデェとデゥの中間っぽい発音みたいに聞こえる気もするのですが(いえ、カタカナで表記せずとも、ちゃんと発音表記でYīngdéってのがあるみたいですけども)、でも、日本語に転写すると、インドーと表記されるようです。
 たぶん、音を分解すると、”エ”の発音じゃない、から、なのかな……イェンドーだったら、発音のところにeが入らないのは理屈としておかしいです。実際、発音表記もeじゃなくてiだしね。eの音が存在する余地がないといえばない。でも、インドー以外になんか表記なかったんかっ、と思わないではいられない……(遠い目)

イェンドーがダメだとして(実際に音きけばわかるけど”ェ”ではないですしねぇ)、だったら、インドゥーがぎりぎり発音に近くない? そっちで妥協しちゃわないかい?というのはずっと考えてたんですけど、そっちも”u”の発音がYīngdéの単語に含まれていないし、インドゥーはYinduという地名が別にありまして、そちらに当てられているのようでして(まぁ、この表記も発音を聞くと、「う、うん……。」みたいな感じあるんですけど)。

うーん、ぎりぎり、「イントー」という表記もアリみたいですけども……。 (ちなみに、インドーだとミャンマーにある Indaw っていう地名の表記としてもありっぽい。音からして明らかに違う地名が、同じ日本語表記になるとか、やっぱおかしくないですか………てかまぁ、日本語は発音としてはバリエーションが少ない言語だそうですからねぇ)

そんなわけで、このトカゲモドキを呼ぶとき、なんと呼ぶのか?というのは難しく。

みなさん考えに考えて、「てきとーな発音表記するのはしたくないけど、でもなぁ、インドーはなぁ…………ないよな…………」とか考え、「エイトクトカゲモドキ」とか「インディエンシス」(←学名の読み)とか呼んでいるのではないでしょーか……(ちなみに管理人は会話の中ではゴニウロのインディエンシスという言葉を使ってます)

でもまぁ、当サイトでは、多少釈然としないものはあるものの、インドートカゲモドキで行こうと思います。現在ちびちび描いてるゴニウロページのリニューアルバージョンも、インドーで書いていたり………いやもうほんとどーにかならんのか!と思わなくはないものの(大泉さんの父曰く「なんとかインチキできんのか」みたいなニュアンスで。絵葉書の旅2)、謎な読み方を勝手に作っちゃうのもおかしな話だからできませんし、もうしょうがないのです(道理があれば別ですが……)

まぁ、実際に英德市に住んでいるひとは、東京に住んでいるひとがトーキョーだろうとトウキョだろうとさほど気にしないように、北海道のひとがホッカイドーだろうとホクカイドウだろうと気にしないように、おおらかかもしれませんけどね(実際に東京や北海道の気にしないかどうかは知りませんが(笑))

 でも、トッキョーとかトキョーとかなら、いやそれ発音ちょっと違う…………と思いつつ、まぁいいか、ということで別になにも言わない気がしなくもない。テッキョーとかトェキォウとかホッケイダァとか発音してたら、「いや、その母音どっから来たのさ?」とは思うんじゃないかな。

 そもそも

 去年ぐらいに、yingdeensisの生息地の、けっこうすぐお近くで新種が見つかっているのはみなさんご存知のことと思います(このサイトはGoniourosaurusが常識レベルで大人気な世界線にありますので、そのノリでゴリ押しします。なお、去年とか書いてるのはこの記事の下書きしてたのが2015年だからですよ! はっはっは、半年さぼってたから多少ウラシマ状態だ)。
 そちらの、シメンタイだって英徳市石門台なわけで、yingdeensisだけが英德市の名を冠するのはいかがなものかっ、Goniurosaurus属の中でいちばんビミョーとの呼び声高い(主に管理人の中で)Goniurosaurus zhelongiの立場がないじゃないですか(まぁ写真しかみたことないですから、実物みたら手のひら返すかもですが)。もし自分が先に発見されて記載されていたなら英徳市の名を冠するのは自分だったはずなのに、と!

 ………………でも、こゆこと考えると、なんかもう、まぁどうでもいいんじゃないかな、という気もしてくるんですよね。Goniurosaurus araneusなんか、近年、ベトナムに生息していない疑惑すらあるのに、ベトナムトカゲモドキと呼ばれたりしていますからね <それはどうなんだ

 Goniurosaurus araneusを生息地からして呼んだら(その話が正しいとして)、ニンミントカゲモドキとかになるんですかねぇ。そもそもどこにいるのかよくわからんluiiやkadoorieorumの明日はどっちですか。どっちかがロンヂョウでしょうか。ピンシャンにいるのは結局どっちなのか。もうわけわからん。

 だからまー、なんかこう、いろいろと落としどころとして難しいな………と思いつつ、まぁ普段は学名で呼べばいいから、インドートカゲモドキでいいか………という結論に達したのでした。

そうです、僕らには学名っていう逃げ場があるんですよ。ああ、素晴らしいなぁ、学名。

あ、そうそう、タランチュラの話ですけど、
いままでHaplopelma属だった連中の多くが、Cyriopagopus属に変更になったそうで?

( ´ _ ` )ノ 

……
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……………

…………………Cyriopagopus lividumっていう字面に慣れていかねばならないのかっ…………! orz  (ちなみにこれも、すでにだいぶ旬を逃しておりますね)