Eurydactylodes vieillardi CB2017(2017.03)

 我が家では初めて殖やせたヴィエイヤールとなりますかね。アグリコラはまたいずれ(まだ写真撮影してない)。

 口元をチェックすれば、普通に小さいときからアグリコラかヴィエイヤールかは見比べられますね。
鱗があるほうがヴィエイヤールで、ないのがアグリコラ……なんですが、こういうのって、一度間違って覚えちゃったり自信がなくなっちゃうと、どっちがどっちかわからなくなることありません? チャホウアとジャールーだと、どっちが尻尾復活したんだっけ?的な。ないですか、そうですか……

 管理人はしばしばそういうことがあるので、こうして自分のブログに書いておき、「どっちだったっけ……」と思ったらスマートフォンで検索できるようにしているわけです。

 まぁ、アグリコラとヴィエイヤールの場合は、「ザ・クチサケヤモリと言えばアグリコラ。そして、クチサケの名前の通り、耳の穴のところまで口が裂けているように見えるのが、アグリコラのほう」と覚えれば、簡単に覚えられるのではないかという気はしますが。

 え? symmetricusとoccidentalisとの判別はどうなっているのかって?

 ………………まぁ、そのへんは(Bauer,2012)Review and phylogeny of the New Caledonian diplodactylid gekkotan genus
Eurydactylodes Wermuth, 1965,with the description of a new species
に詳しく書いてあるようですよ。

 ところで、この手の連中はよく産卵することも手伝って、特に成体になってからは、ちょっとだけですが注意していないと、メスがカルシウム不足になることがあるような気がします(カルシウム不足というべきか、ビタミンD3不足というべきか)。一匹で飼育していようが、無精卵を生んでしまうので。

 ラコダクであるとか、ヒルヤモリのように、顎や背中が曲がるといった目に見えて分かり易いクル病の症状までは見たことがないので、そのような症状まで出るものなのかどうかは知らないのですが、その前段階なのでしょうか、うまく壁面や枝に登れない、なんか体を痙攣させる、といった様子を見せることがあります(新陳代謝に支障をきたすと、最初に手の皮膚の代謝が上手く行かなくなって登れなくなるんですかね)。ありますっていうか、あっちゃいけないので、そういうを見たら焦ります。うちだと過去に2回あったかなと思います。

 もっとも、それほど注意しなくても、昨今は餌やサプリメントが豊富にあるので、それらを利用した上で、基本に忠実な飼育をしていれば、本来そんな症状などでないはずで、まぁつまるところウチの飼育方法がいまひとつだったから、そういう症状を呈してしまったのでしょう…………メスがよく無精卵を生んでしまうなんてのはわかりきったことなので、それも織り込んで飼育してやらねばならないでしょう。なんだかんだで、基本に忠実に、手間暇をかけてやればちゃんと飼育できるし、適当にやっていると、まぁ死にはしないけれど、上手く殖やせない、そんなヤモリな気がします。繊細なところのあるヤモリってことですね。まぁなので去年とか全然殖やせませんでした(汗)

 症状が出ても、軽微であれば、水溶性カルシウムサプリメント&ビタミンD3サプリメントとかを飲ませてやっていると、一週間もせずに治る気がします。自発的に舐められるなら飲ませなくてもレパシーなんかに添加してやればいいだけですが。(こうしたらウチでは治ったってだけで、治らなかったとしても責任持てないので、獣医さんが近くにいるなら連れってたほうがよいと思いますよ)。

 うちではテラリウムでの飼育と、プラスチックボックスを改造したケースでの飼育と、両方やっており、どっちも普通に飼育できますし繁殖していますが、前者は蛍光灯(あるいはハロゲンライト)があって後者はない、からなのか、ともかく、こうした症状に陥るやつが出るのは、やっぱり後者です。っていうかテラリウムで飼育しているやつでそうなったのはまだいなかった気がする……(まぁ、もちろん全然違うことが理由であって、照明は関係ないかもしれませんが。関係あるという場合でも、部屋の電気が蛍光灯なら問題ないかもしれないし、プラケースなら十分その光が入るから関係ないかもしれない。管理人はプラケースではない、より光が入りづらいケースで飼育しているというのもありますからね。まぁかもしれないというだけ)

 人工飼料やサプリメントの発達も手伝って、日々の餌に注意をしていれば、蛍光灯がなくても飼育できる、というのは確かにそうなのですが、ハロゲンライトや蛍光灯を当てると、当たりに来るような感じがあるし、やっぱり、あったらあったで良いような気がします(まぁヤモリですし、強すぎるのはどうかと思いますので、まぁほどほどに)。

 ただし、トカゲに使用するような強いライトを当てたら、かえって良くないだろうことは想像に難くなく、ラコダクなんかのヤモリがそうであるように、というかヤモリでなくトカゲであれ何であれ、そうすべきという飼育の基本としてそうであるように、日光に当たりたくないという気分になったら隠れられるように、日陰用となるような木組み枝組、そしてシェルターは必須だとは思いますが。まぁ、ライトを当てるにしろ当てないにしろ、観察は大切ということなのではないかなと。
 そう考えると、高さのあるケースに、いろいろと枝組をし、シェルターを用意しつつ、手前のごく一部にハロゲンライトを当てる、ぐらいが良い塩梅なのかもしれまんね。

 まぁ、なるべくそういうケースで飼育しようかな、とそういう方向にシフトしつつも、まだ全部そうはできないので、今しばらくは、サプリメントや人工飼料に頼る今日この頃なのでした(苦笑)

 ところで、この手の孵化サイズの小さいヤモリというのは(乱暴にくくっちゃうと、孵化サイズの小さい、ヒルヤモリとかマルメヤモリとかもそうだと思う)、小さい頃は、喉が細いせいか、人工飼料をあまり好まない気がします。小さいから、飲み込みづらいのでしょうかね。乳鉢でこれでもかと細かくして緩めに作ったレパシーを口元に付着させて舐めさせたりしてると、まぁ食べなくもないし、置きエサでも舐めているのかもしれませんが、それだけで育成できるかというと、どうも不安になります。

 うまくやれば人工飼料だけでもいけるのかもですが、まぁ我が家には餌昆虫がいくつかいるし、それらは普通にガツガツ食べてくれるので、小さい昆虫を与えています。コオロギ、ショウジョウバエ、ゴキブリの極小個体、そして特にハニーワームもしくはノシメマダラメイガはとてもよく食べるので、最初の最初は、これらの昆虫があるに越したことはないんではないかなという気がします(ミルワームやシルクワームは試してないので知りません)。
 まぁ、この手のを一年中維持しておくのはそれなりに面倒だと思いますが、ヤモリの卵が得られた時点で、だいたい孵化予定日は推測できると思うので、そこから逆算して入手しておけばよいのではないでしょうか。

Eurydactylodes vieillardi egg(2017.02)