Adelphobates galactonotus ”Blue” (2017.09)

ケースをこれ以上、洗いたくないなぁ、と管理人さんは冬になるとよく思っておりました。

そして、こないだの冬に、電動バスポリッシャー(AA)というのを買いました。

管理人は楽が好きだというのは、このサイトを以前から見ている人ならだいたい知っていることかと思います。

毎日水やりをしたくないから、ミスティングシステムを作るし、照明のオンオフはタイマー任せだし、冬眠の間の気温調整はサーモスタット任せです。まぁ、温度ロガーなんかで記録はとっていますが、予定より外れた温度になったときに通知するのも機械任せ。

機械にできることは機械にまかせて、人間は人間がやることをすればいいじゃないか、というのが管理人のスタンスです。例えば昼寝するとかだらけるとか。とはいえ、機械はこわれることもあるので、冗長性も重視しなきゃいけませんけども。(そして、あたりまえですが、その最初に機械に何をどうやらせるのか? というセッティングの部分で、人間の観察眼や経験や知識が問われる)

もともとバスポリッシャーを買ったのは、コンクリートとかタイルの床を洗うためでした。お風呂用ではなかった。お風呂は普通に手動(?)で洗っておりました。このへんを洗うのに、なんか駅とかで掃除している人が使っているのの簡易版的なのないのかな、とか思って探し始めたような感じでした。そのときは電動バスポリッシャーというのがあるのは知らなかったわけです。まぁ、製品みて、ああ、これそれっぽい感じだし使えそうだな、と思って買ったわけですね。

しかし、その日はとても水が冷たい冬の日で、基本的に直結のたんなる水で飼育用品を洗っている管理人は、ほとほときびしいわーと思ったのです。お湯は電気ポットで沸かしていて、それで熱湯消毒だとか、ショウジョウバエの培地を仕込むときには使ってたんですが、洗い物をするにはちょっと足りない。なので、基本的に水で洗っているのですが、夏ならばともかく冬の水道なんてのは氷の冷たさなわけで、しかも汚れはなんか落ちづらい。

そのとき、ふと、「あれ? このバスポリッシャーって短くもできるやつだし、これで洗っちゃえばいいんでは?」と思ったのです。

そんなこんなで管理人の飼育道具として現在なくてはならない感じになっているバスポリッシャーですが、しかし長所も短所もあるので、まずは短所からご説明していきましょう。

・基本的にアクリル、ポリスチレン(プラケース)には使えない。あとシリコン接着面にも使わないほうがよさそうな気がする(ケースとか用途による。水を入れるやつはやめといたほうがいいと思う)
・ちょっと使うときにコツがいる

二番目のはいちおう書いたんですが、電動で回転しているので、当て方を間違ったり、ブラシに巻き込んでしまうと容器ごと回転したり、ブラシのほうがなにかに絡め取られてそのまま回転しつづけたり、ということになります。が、まぁこのへんは慣れなんでどうとでもなるので、そこまで欠点というほどでもない。回転速度がそこまででもないので、からめとったのがガラスとかでなければ問題にはならないでしょう。

どちらかというと、一番目の「傷をつけやすい」というのが問題です。

アクリルやらプラケースやら何やらに擦り付けてみたのですが、基本的にブラシ系は全部傷がつきます。弱く当てた場合はそうでもないのですが、それだと汚れが落ちるかどうか微妙なところだし、調整が難しいかもなので、ここではプラケースを洗うのには使わないほうが無難ってことにしておきます。アクリル水槽なんかも当然不可。磨りガラスみたくなっちゃうやもしれませぬ。(ただ、スポンジのアタッチメントもあるようなので、そういうの使えば綺麗に傷をあまりつけずに洗えるかもしれません。まぁ、管理人の場合はプラケースはそこまで洗うやつがないので、手作業でいいかなぁと思って試してません)。

じゃぁ何に使っているかというと、最初に洗い始めたのは、ポリプロピレンのケージ、つまりは衣装ケースでした。

管理人の飼育しているケースの大半はポリプロピレンの衣装ケースなので、これを洗うときには実によろしい。傷が全くつかないというわけではなく、強く押し付ければ傷はついてしまうのですが、軽く使うのであれば、傷は管理人が使った範囲では気にならないレベルでした。まぁ、クリアな視認性がどうしても必要だ!という場合は使わないほうがいいでしょう。あるいは、スポンジのアタッチメントもあるので、それを使うといいかもしれませんね。(あと、見えない微細な傷がついていて、ゴキブリとかが登攀しやすくなる!とかはあるかもしれない、検証してませんが)

同じ理由で、シリコンが露出している水槽などを洗うときにもやめたほうがいいような気がします。シリコンというのは存外丈夫なのですが、それが原因で水漏れしても管理人は責任とりませんので、あしからず。(まぁお風呂場洗うやつなんで大丈夫そうな気はしますけどね)

ガラスもいまのところ良い感じで簡単に洗えるのですが、小さいガラス扉などを洗うときには、回転の勢いで弾かれてがっしゃんとかもありえなくはないので、やり方には気をつけて、というところはあります。ただいまのところ30枚ぐらい洗いましたけど、管理人は割ってません。

なんかいちいち条件があるけど、じゃぁ何に使えるのさ!と言われそうですねぇ……

しかし、ここで管理人としては声を大きくしてオススメできるものがあります! それは、「ショウジョウバエの育成瓶(ケース)」です。

もちろん、小さいフラスコやら試験管やらには使えませんが、いわゆるプラコンタイプの容器は、先端が細くなっているタイプ(角を洗う用のやつ)のブラシで洗うことができるのです!
あと、管理人のように傷がつくことを気にしないのであればプラケースもいいし、100円ショップの乾物入れを洗うのには最高です。

(上の白い部分をカットして使う。もっとも、かぶせてあるだけなので、とても蓋は外れやすい)

いやぁ、ショウジョウバエを繁殖し始めて、もう十余年(これ以上は年数を数えないようにしようと思う)ですが、これをもっと前に気づけばよかった……(しみじみ)

例えばランドゲッコーならば、ペーパーや砂を使うことで掃除が簡単にできます。蛇であるなら、チップや赤玉土や、管理人は使ったことはないのですがペットシーツを使うことで、水洗いの掃除をしなくてすむようにすることもできます。

しかしジョウジョウバエだけは。日々の水洗いがどうしても必要になるのです、これが。これはもう逃れられぬ宿命であり、たぶんヤドクガエル飼育者が三年、五年、十年ぐらいでそれぞれ脱落していく理由の半分は、もう間違いなくコレが原因じゃないでしょうか(もう半分はショウジョウバエが逃げることかな?)。

単なる洗い物とはちょっと違って、あたりまえですがケースの側面にショウジョウバエが蛹を作るので、これがまた洗いづらいのです。底面に餌が残っていればそれもまた洗いづらいし。

しかし、このバスポリッシャーを使うと、洗うのがものすごい楽になるのです! プラコンを片手にしっかり持って、回転しているバスポリッシャーの根元のところを持って、なかに突っ込んで全体をぐるりと押し付けるだけ。ものの数秒で洗えてしまいますし、ちょっと頑固についている場合でも10秒もあれば洗えます。お湯が使えればもっと簡単なことでしょう。

あたりまえですが、この飼育瓶の洗浄が不十分だとカビの原因になってしまいます。管理人が以前、プラケースでショウジョウバエを飼育していたのだけれども、プラコンを使うようになったのは、この洗いやすさの観点から、プラケースの角のところがどうにも洗いづらかった、というのが理由でしたので、今後はプラケース飼育に戻すかもしれません(一度に大量に殖やせるから楽なんですよね)。

もちろんデメリットもあり、いくらポリプロピレンとはいえ、傷とは無縁というわけではありません。一回や5回ぐらいではまだ問題はないのですが、おそらく普通にスポンジで洗うよりは傷がつきやすくなるであろうと想像できます。

傷がつくとショウジョウバエが外に逃げやすくなってしまう可能性はゼロではありません。ただ、そもそもこの手の飼育瓶でしっかり洗わなければいけないのは、ショウジョウバエの蛹が付着するエリアと、培地の残りがある一番底の部分であって、上のフチのところはバスポリッシャーでごしごしやる必要もないので、そのへんはスポンジで仕上げるだけにすればいいでなはなかろうか、という気はしますね。

管理人が購入したのはElleSyeというメーカーのものです。別にこのメーカーが良いかどうかはわからないのですが、単純にそのとき一番安かったからです。
管理人が最初に買ったのは、ブラシの根元が固定となっているバージョンだったのですが、ちょっと高いやつで、ブラシの付け根の部分が曲がって、45度とまっすぐとにセットできるタイプ(AA)もあるようです。

使ってみるとどちらが便利か?というと、実は両方買ってみたのですが、正直それほど差はないような気はします。管理人がかった曲げられるやつはフレームがなんかスチールで重くて微妙だったかな……。
曲げられないのが不便かというと、プラコンを片手に持ってブラシの根元を持って使うことになるので、角度は結局のところ腕の角度で当てててくので、まっすぐである必要性があんまりないんですよね。45度の固定で十分なような気がします。ただ、深さがもっとあるものを洗いたいというニーズがあるのであれば、まっすぐにできるほうを買っておくにこしたことはないかもしれません。

ちなみにバスポリッシャーは短くもできるのですが、最初から短いハンディタイプも売られています。(AA)

この手のシリーズには、いくつかのメーカーがありますが、まぁお手頃価格で提供されていることからもわかりますように、どれも中国メーカーなのですけれど、理由は定かではないのですが、管理人が買った三つのメーカーは、ブラシのコネクタの形状が同じで、どの商品にも流用できるようでした。とはいえ、それは保証できるものではないので、対応しているとうたっているものを買うに越したことはないでしょうけれど。

管理人の場合は、定期的に蛇に使っている大きなコンテナを洗う必要があるので、ベランダとかに並べて水をぶっかけて、足で押さえながら各衣装ケースをゴシゴシ洗っていく、なんて使い方もしているので、長いほうが便利なのですが、本当にショウジョウバエの飼育瓶だけを洗うという場合には、ハンディタイプでも十分かもしれません。

ただ、このバスポリッシャー意外にいろいろなものを洗うのに使えるとはいえ、さすがに飼育用品とお風呂で共用のものを使うというのは家族不和の原因になりかねないのでやめたほうがいいとは思いますが、ブラシを複数買っておいて、玄関先なりなんなりを洗うのに使うというのはいいかもしれません。まぁ、何に使うにせよ、傷がつきやすい云々はあるとは思うので、ご自分でチェックしてくださいな。

ちなみにもっと小さい単三電池4本で動くやつ(スーパーソニックラバーという)(AA)もあって、これは管理人が持っているやつは回転するのではなく振動するような感じ(首振ってる感じ)でブラシが動くので、ビバリウムのアルミの部分や細かいところを掃除するのになんとなく使ってました。もう十年以上前からうちにあったような。でも、これは大きいケースとかをがしがし洗うのには使えないので、そんなに印象として便利!とかはなかったかな……そこまで別にオススメってわけではないのですが、でも、洗面台のまわりを磨くのとかには重宝しますし、回転するタイプとちがって、はじいたりからめとったりしないので、ガラス戸の頑固な汚れをとったりするには安全で便利なので、ビバリウムの数が多い人にはオススメできるかな。

余談ですが、Youtubeをみてると、歯ブラシを加工して洗い物をするブラシを作ってドリルで洗う!、なんてのがよくでてきます。
六角軸にブラシがついたようなのは、モノタロウでも売ってるし、見てませんがアマゾンでも売っているのでしょう。ただ、当たり前ですがああいうのは充電式のドライバーで使うものだと思うし、そもそも電動ドリルは防水ではないので、水をかけないでブラッシングするためのものなんじゃないかと思います。防水のドリルがあってそれで使うならありっちゃありかもですけど、いずれにしても重いんじゃないかな…。

なんにせよ、コアドリルでガラスに穴あけする動画で、充電式ではないコードタイプの電動ドリルを使っている写真を見たことありますが、どう考えても自殺しかねないのでやめたほうがいいでしょう(このサイトでは再三注意喚起してますけど)。

そんなこんなで、電動ブラシを使うことで、よい感じに楽することができるようになったので、ショウジョウバエの飼育をあと数年は続けられそうです(数年以上はもう数えないようにしようと思う今日この頃なのです。 お湯使えるようにすれば良いんでは?というツッコミはしないよーに?)