Eurydactylodes vieillardi female

 鱗の大きさからしてもう全然違うので、全体的な見た目でもこれは違うなぁと分かるのかもしれませんが、よりちゃんと見るならば、クチサケの由来となっている切れ目が、耳穴の手前のところで鱗により分断されるか否かが判別指標なのだと、Review and phylogeny of the New Caledonian diplodactylid gekkotan genus Eurydactylodes Wermuth, 1965,with the description of a new speciesのP26には書かれていますけど、管理人は目があまり良くないので肉眼だとよく見えないです。成体はともかく、幼体だとルーペがいるですな。
 
 ネットで手に入る論文はモノクロで画像解像度も低くて、いまいちどういう事なのかはっきりしないというか、鱗があるらしいけれど、どんな感じで鱗があるのだろうと常々思っていたので、写真撮影してみました。
 分断されずに繋がっていればagricolaeで、鱗で分けられていればvieillardiらしいのですが………。

 The Gex Filesの写真とかを見てみると、vieillardiはしっかり繋がっているように見えていたのですが、上の写真の個体は、確かに鱗はあって上下が繋がっているけど、予想していたよりも鱗が小さいですね………もっとバキっとクチサケのところを分断するのかと思っていました。でもまぁ、これは、ちゃんと分断されていると言ってよい気がする………? 個体差があるのかどうかは、もうちょっと入手してみてかつ殖やしてみますか…………殖やせるかどうかわかんないですけど。

ちなみにこの部分、真横から撮るわけですが、上下方向では、やや下(あおり)とか真横とかからだと、特にオスだと重なって見えちゃうこととかあって判断つきづらいので、すこしだけ斜め上とかから撮影したほうがよいっぽい。もしくは、手に持って、ちょっとだけ下顎の部分の皮を下にひっぱると見えやすいかも? まぁ、幼体ではかなり加減が難しいと思うので、あんまりやりたくないですが………

Eurydactylodes vieillardi

Eurydactylodes vieillardi

 vieillardiの顔のところ。
 
 ↓はアグリコラ。ちょっと絞りすぎて回折でぼやけちゃってますが………(あるいは手ぶれか)

Eurydactylodes agricolae

Eurydactylodes agricolae DE female

 色合いは、そのときの周辺の明るさとかによって変わってくるし、個体差もあるので参考にはならない気がしなくもないです。アグリコラでもけっこう明るい色のがいますし………
 でも、全身の鱗の大きさからして、けっこう明瞭というか、ぱっと見分かるような気はします(それがどこまで通用するのかはそんな個体数見てませんし知りませんが)。ただ、ベビーを見比べた経験がないので、そっちは今年採れたら、それ見て覚えなくては…………。

 余談ですが、いちおう、うちで産まれたのも含めて、3系統のEurydactylodes agricolae を10匹ほどチェックしてみましたが、繋がっているものはいなかったです(いたら困るところだw) 

left:Eurydactylodes vieillardi ,right:Eurydactylodes agricolae  下顎の皮をちょっとひっぱると分かりやすい。ただし幼体は力加減が難しいから、あまりやりたくないな………

left:Eurydactylodes vieillardi ,right:Eurydactylodes agricolae
下顎の皮をちょっとひっぱると分かりやすい。ただし幼体は力加減が難しいから、あまりやりたくないな………


 Eurydactylodes vieillardiってけっこうな広範囲にいることになっていますが、産地による違いとかってけっこうあるのでしょうか。現在のがどこらへん由来とか、そういうのは知らないんですけども…………たとえば、パイン島のEurydactylodes vieillardiですよ、みたいのって聞いたことないですが、本島のと、なんか変わっていたりするのかな。