Elaphe c. carinata “Leucistic” CB2014 (2014.Sep.09)

 

 十年――――
 
 いやぁ、話には聞いていましたけど、ホントに十年かかっちゃった。

 といっても、別に十年間毎日何かを継続していたようなのとは違うから、まぁ、そんな大層なことはない気がしますが、でもまぁ、十年飼育し続けていたのは確かではありますか。

 一番たいへんだったのはWCのアジアンラットを生かして飼育する(繁殖できる状態まで持っていく)という最初の部分で、CBがいちど採れてしまえば、どうにかなるのは時間の問題ではあります。その最初をクリアするのが、案外たいへんなんですけど…………まぁ、そんなのはあんまりやる必要はないですよね。CBで飼育を楽しめるならば、それが一番だと思っています。管理人はWC飼ってるけど、それはCBにそういうのがいないからやってるのであって、CB化されたやつは喜んでCB買ってますからね~。もちろん、「殖やしたいし、別の血統さがさなきゃ」とかは言い出してますが。

 過去を振り返る、ドキュメンタリー風な謎更新とかやろうかと思ったのですが、結局のところめんどくなったので、端的に更新です。
 まぁ、誰かが待っていたかどうかは知りませんが、取り敢えず管理人は待ってました、これを。

 いやもうテンション高いですよー、読んでいる人がどんびきするぐらいテンション高いですよー。ヽ(´_`)ノ ワーイワーイ

 管理人が保存してある写真フォルダを見ると、これの親の写真を初めて撮影したのは2004年の4月ですが、入手はもうちょっと前だった筈ですし、たしか入荷自体は2003年だったような気がします。記憶違いかな………もう十年は前ですからね、うーん…………。ただまぁ、当時、入荷してすぐには買えなくて、数ヶ月、お金を貯めたのを覚えています。その間、他に売れなかったので買えたのですな。まぁ、当時はインターネットで入荷情報がすぐに得られるというような時代でもなかったからかもしれません。

 由来となった個体がこちら。

Elaphe c. carinata "leucistic"  WC femle (2010,09)

Elaphe c. carinata “Leucistic”
WC femle (2004.April.27)

 入手してそんな日が経っていなかった頃のはず(まだ傷も残ってますし)

Elaphe c. carinata "leucistic"  WC femle (2010,09)

Elaphe c. carinata “Leucistic”
WC femle (2010.09)

 こうしてみると色々な危機を乗り越えて、生き残ってるなぁという感じがしますね、コイツ。ちなみに威嚇しておられますな。ウチのシュウダは、下手なつかみ方しないかぎりは、あんまり匂いを出しませんが、威嚇はします。たまに咬んでくる個体もいるんですが、概ね個体差で、咬んでこないやつは咬んでこないですね(ばたばた逃げようとはする。たまにのたーんとした個体もいて、みんなこうならいいのにな、と思ったりする)

Elaphe c. carinata "leucistic" CB2014 (2014.Sep.07)

Elaphe c. carinata “Leucistic” WC(2010.Aug.02)

 これが四年前。今回のものは、つまりは元となった個体のF2にあたります。

Elaphe c. carinata "Het.Leucistic&Hypomelanistic" CB2014 (2014.09.08)

Elaphe c. carinata “Double Het.Leucistic&Hypomelanistic” CB2010 female (2014.Jul.08)

 2010年に産まれた雌、今回のリューシの親がこちら。
 シュウダは、上手く育ててやれば二年目や三年目で掛け合わせることは可能だと思いますが(でも二年はやめたほうがいいんじゃないかなぁ………という気が個人的にはしますが)、長い目で見てメスをじっくり育てることにしているので、ペアリングは今年が初めてになります。けっして管理人の育てる速度がおそいとか、そういうことではない。たぶん。まぁ、でもやっぱり大きいヘビのメスは、育成に四年はかけたい…………

 比較的、黒の面積が多いですね。これの親は両親ともが色変ですが、オス親は黄色が強いので(或いはハイポメラニスティックの影響もあるとは思いますが)、おそらくベースになったリューシのメスのほうが黒が多いのでしょう。
 この変異は、先の写真でわかるように黄色色素があります。この個体を入手したときには、成体というサイズではなかったわけですが、成体になるにつれて黄色が増しました。つまりは、通常の成長に伴う色合いの変化に伴い、色変の場合も黄色の度合いが変化します。
 もしも、体表面の色素胞の位置が変化する変異であるならば、色素胞の量はもともとの模様(色合い)に影響されるはず。シュウダのアルビノを見ると、黒かった部分には黄色色素がないようなので、おそらく、成体が殆ど黒い個体がリューシスティックになればより白く、黄色の面積の多い個体がリューシスティックになれば黄色くなるのかもしれません。このへんは選抜交配や、他の色変との組み合わせで変化が期待できそうですね。黒い個体だと、より淡いレモンイエローになりそうなので、個人的にはそっちを見てみたい気がします。

 ダブルへテロなので、ダブルホモを狙いましたが、結果から云えば、今年はダブルホモは出ませんでした。

Elaphe c. carinata "leucistic" CB2014 (2014.09.07)

Elaphe c. carinata “Leucistic” CB2014 (2014.Sep.07)

 孵化直後。
 画質が微妙なのは、間違えてiso5000の設定で撮影してしまったからです。でも記念すべき一枚目の写真なのでしょうがない。
 生まれつきは透明感のある質感です。

 ハイポとくらべ

Elaphe c. carinata "leucistic"  CB2014

Elaphe c. carinata “left:Leucistic,right:Hypomelanistic”
CB2014

 このへんだとピンク色だなぁという感じですが、これはファーストシェッドよりも前だから。ファーストシェッド後は、色合いが落ち着きまして、

Elaphe c. carinata "Leucistic" CB2014   (2014.09.18)

Elaphe c. carinata “Leucistic” CB2014 (2014.Sep.18)

 こんな感じに。
 こうなると、親と同じ変異なのだとよく分かります。ちょっとミズゴケの水が多すぎたな………と思ったので、この後直ぐにミズゴケはしぼりました(苦笑)
 シェルタをどかした直後なので緊張してる感じがよいですね。

 今回の写真の個体は、卵の中でも一番小さい、シュウダの卵してはかなり小さめのサイズの卵から孵化したので、ちょっと細い印象があります。でも、すんなりピンクマウスに餌付いてくれたので、小さいだけで羸弱な感じはしないです。
 経験上、産まれたサイズの大きさは、成長さえしっかりしていれば普通にちゃんと育つと思いますねー。

 ハイポメラニスティックが幾つかの先天的な障碍を抱えて産まれやすいのに対し、このリューシスティックは目に見える先天的障碍を持たないようです。もっとも、このへんは、もうちょっと個体数を採ってからじゃないと、断言できないところではありますが。

 あとは、どういう風に成長するのかが気になるところです。どういう色艶になるのか…………そこは、まだ未知の領域ですからね。

 というのも、シュウダも、ベニナメラやタカサゴナメラほどではないにせよ、CBとWCでは色合いの艶が変わるものだからです。ヨナグニシュウダなんかだと分かり易いですけど、これがかなり違うのです。WCのヨナグニシュウダとか、CBに比べるとかなりショボイいですからね、アレ………いやまぁ、自然を生き抜いてきた勇姿なのだとも思いますが、でも綺麗さでいったら明らかにCBのが上です。WCのアレは日焼けとかなんかな。なんにせよ、CBのほうが、しっとりした感じになり、圧倒的に綺麗です。

 シュウダのように、他のナメラのような透明層が殆どないように思えるヘビであっても、やっぱりけっこう違ってきます、まぁ、さすがに、やや分かりづらいところがあるんですが、でも、色変だと顕著に差が感じられます。ハイポは少なくともけっこう差がありますね。黄色がより鮮やかな感じです。
 アルビノは……………………ああ、あれはあんまり差がなかったかも…………うーん、まぁ、そんなにまだ満足に数をとってないからなー。

 とにもかくにも、取り敢えず、遺伝することは分かったことですし、次なる課題はもうちょっと数を採ること、でしょうか。
 来年は、もうちょっと採れるといいな………あと、ダブルホモが出て欲しい。あとはアルビノとのダブルホモも見てみたいですね。取り敢えず今年アルビノとのダブルヘテロは採ったので、四年後かな(なんかこういう数字を現実のものとして考えて見ると、なんかやだな~………)

 というわけで、シュウダのリューシスティックの話でした。