By: C

6月 21 2015

Category: Gecko, Goniurosaurus, 飼育全般

Aperture:f/36
Focal Length:90mm
ISO:250
Shutter:1/250 sec
Camera:NIKON D800


リボトカゲモドキ

 話によればGoniurosaurusも、温度依存性決定だという話ですが、種類ごとの温度はどうなっているのですかね。

 なんでも、catbaensisだと、どうも高い温度でメスが出やすい、という話を聞いています。
 うちの孵化温度、だいたい空中温度が23-25℃ぐらいだと、catbaensisに限らずどの種も、だいたい半々ぐらいか、オスが多いような?という感じなのです。もっとも、手放しちゃっているので正確なところまでは把握してませんが、でもサンプルが少ないcatbaensisに関しては、オスのほうが今の処たしかに多い。最初のクラッチは両方ともオスだったはずだし。

 それが、なんでもインキュベーターで27.5-28℃設定で孵卵すると、ほとんどメスが出るらしい。オスがまったく出ないというわけではないのですが、ほとんどがメスになるのだとか。
 
(T. Gamble ,2010) A Review of Sex Determining Mechanisms in Geckos (Gekkota: Squamata) という論文には、引用元となる(Seufer H, Kaverkin Y, Kirschner A.,2005) The Eyelash Geckos: Care, Breeding and Natural History. Karlsruhe: Kirschner and Seufer Verlag のデータとして、

Sex ratio data suggests temperature may influence hatchling sex in several Goniurosaurus species [Seufer et al., 2005]. Seufer et al. [2005] report on incubating over 160 eggs from 6 Goniurosaurus species. Most eggs, 94, were from G. splendens. Eggs were incubated at fluctuating temperatures (26–28°C) with a nighttime temperature drop (25–26°C). Over 80% of G. orientalis, G. splendens and G. kuroiwae hatchlings were females. An even sex ratio was produced from the remaining species, G. araneus and G. luii with 50% females and G. lichtenfelderi with 60% females, which is consistent with either TSD or GSD.

というようなことが書かれています。26-28℃(夜間温度25-26℃)でインキュベートした場合、G. orientalis, G. splendens , G. kuroiwae の80%がメスになったのに対し、G. araneus と G. luiiでは50%がメスであり、G. lichtenfelderi では60%がメスだった。

 このデータは2005のものですから、さすがにG.catbaeinsisはまだ知られていなかったのではないかと思われますけれども、いちおうこれもG.luiiのグループですから、それに準ずる可能性が、まぁ高いかもしれない。島ものですけれども、緯度もそんなには違わないし……まぁ、標高はそれぞれでけっこう違いそうな気はするけど……。

 となると、このデータと、先のcatbaensisが27.5-28℃ではメスが比率として大きくなるようだという話、そして低い温度だとオスが出ているように思われることから、GoniurosaurusはどれもTSDで、その基準となる温度は種、あるいはグループによって異なる(G.luiiグループは G. kuroiwaeよりも高い温度でメスになりやすくなる)にせよ、高い温度でメスになりやすくなる、と予想してもよさそうな気がします。
 G.luiiグループがそのようになる温度が、どのへんなのかはわかりませんが、少なくとも27.5-28℃あたりから調べるのがよいのかな?

 もちろん、厳密に調べるとなるとたいへんでしょうが。まぁ、管理人としては、それぞれの種で、その温度固定でインキュベートしたときに、メスばっかりになる温度を、とりあえずは知りたいなと思うわけです(雌雄が同等である温度はだいたいわかってるようなので。それに、さらに低い温度を調べるのはさすがに僕にはむりだし)。
 ちょうど半々になる温度が一番正しいのだろうなぁとは思うのですけど、でも現状飼育しているのをざっと思い出した感じ、どの種類もオスが多めなので……

 そのような次第で、今年は27-28℃ぐらいでインキュベートしてみたいなー、とか考えたり。はてさて、それが吉と出るか凶と出るか?

 というのも、管理人はインキュベーターとか持っていないので、温度設定がむずかしいんですよねぇ (汗)
 (管理人は十年以上前から、特大プラケ+コバエ侵入防止シート+しっかりパックUに3-4mmぐらいの穴を2-3cm間隔で適度にあけたやつで全てをインキュベートしております。いや、でも、別にそれでも孵化率はちゃんと良いですしねー。でも、ちゃんとデータをとるには、やっぱりインキュベーターが必要かな…………)

 インキュベーター買わなきゃダメかなぁ…………
 え? 去年、孵化用として温室っぽいの作ったんじゃなかったのかって?

 ああ、はい、作りましたよ、ちゃんとサーモスタットで温度調節できるやつ。そう、蛇とかをね、室温で「ここらへんの高いところに置いておくと26度ぐらいっぽいぞ」とかじゃなくて、ちゃんとよい感じの温度でインキュベートするためのやつってことで作りました。まぁ、たんに植物用の温室ヒーターとファンを入れた、断熱材で作っただけの箱なんですけど。
 
 ただ、まぁ、なんだ、現在あれは38度設定でマダラシミ王国になってるんですよねぇ………ちょっと孵化用には温度高いし、マダラシミさんのためにも温度は下げられないかなー。 <優先順位おかしくない?