Goniurosaurus cf. kadoorieorum WC 2015.08

 ううう、個体がおそらくかなり高齢であるというのも一因でしょうが、ものすごいげっそり痩せてしまったですな(汗)
 尻尾がやばい。ということでこの後、重点的に餌を与えて管理するエリアへ移動。
 卵の状態は実に良いように見えますが、しかし、この個体は、今年が繁殖の限界かなぁ。あとは余生を楽しんでもらうことにしようかな……

 ところでこやつですが、なんなのかがよく分からない。
 いろいろありまして、我が家にいる個体をざーっと、もろもろチェックしてみたり悩んでみたりして、だいたい割り振りが終わりまして、このへんの色が薄いやつも、

Goniurosaurus cf. kadoorieorum  WC

Goniurosaurus cf. kadoorieorum WC

 これと同じなんじゃないかな、とか。違うかな。これ以外にも、もうちょっと茶色く見えるのもいたりして、あんまり色はあてにならないような。
 この、全体的に色が薄くなるのは加齢によるものだと思われますが、話によれば瞳の色も随分と変わるようで。まぁほかの種もけっこうそういうところありますけれど。
 確かに個体差はかなりあって、若い時はオレンジからレッドなのですが、老成したっぽい色抜けしている個体になると、赤が抜けて碧色がかるようです(写真でもちょっと瞳が見えている。なんか、うらめしげですな?)。でも、論文にあるような碧色になるかっていうと、うちの個体を調べた範囲では、そうでもなかったです。雌雄差があるのかな?(上の写真はメスなわけですが、論文にあったのはオスだったから。そしてうちにはそこまで色の薄いオスはいない)。
 年齢で瞳の色が変わるというのは、有名どころではハシビロコウさんとかもそうですよね。
 ていうか、ハイナントカゲモドキとかもそうですし、この属ではよくある傾向なんですかね。アラネウスとかそういう感じしませんが。

 そして、これが本当にkadoorieorumなのかというと、それはよくわからない。
 luii……とは少なくとも違うとは思うのですが、そのどちらでもない”まだ定義されていない別の何か”なのかもしれない。るるるー。
 ともかく、今ひとつ確信が持てないといいますか………根拠がな……消去法でこれかな、という感じでしかなく………うーん、でもまぁ、もし違う何かだったとしたら、何かしらが違うはずで、いちおう現時点で材料を見てみた感じでは、これじゃないかなぁと思ってはいるんですが……
 (ところで、和名は学名からつけるとするとカドリートカゲモドキ? カドーリートカゲモドキのほうが発音に近いかな。個人的に地名シリーズが好きなんですけど、産地は現状分からないですし。形態的に見るとヒロオビトカゲモドキとかでしょうか。でも別にそこまで帯は広くないか……あくまでluiiと比較したときちょびっと広いというだけですからね。属全体で見ると、アラネウスがいちばん幅広では? まぁ、あれあんま帯っぽくないですけど)。

 瞼の上の鱗の大きさというのがよく分からないと申しますか……頭部の鱗と、スケールがほぼ同等であればluiiではないということらしいですが。確かにそんな感じはするんですけど、しかし、頭部の鱗とひとくちに言っても大きい鱗と小さい鱗が普通混在してますよね。いちおう、araneusもluiiと同じような塩梅だというので目安にしようと見てみたのですが、れは確かに頭部の大きい鱗と比較すれば瞼の上の鱗のサイズは1/2ぐらいでした。それと比べて、これの瞼の上の鱗が、それほど頭頂部のそれと同じとか言われても……うーん、いや、アラネウスに比べれば確かにこれは同じサイズの鱗という言い方ができるようなものである気もするのですが………より正確にいうなら明らかにそう見える個体もいるんですけど、やっぱり少し個体差も……まぁ、それでもaraneusほど細かくはないから、これでいいのかなぁ。参考となる比較拡大写真どっかにないものですかね……

 ここ数年来てる”ルイー”のほとんどがこれな気がします。ただし、ほかのものが来ていないわけではないですが。
 管理人が飼育しているこのへんの連中は、ここ5-7年ぐらいでちびちび集めたものなのですが、これと同じやつは、正確なところは忘れましたが、少なくとも2010とかそのくらいにはもう来てたように思います。もっと前から来てたかもしれませんが。
 2009とか2008とかに来てたのはだいたい古くから来てたluiiだったと思うのですが……

 とかく、ここ数年主に来ているのはコレな気がします。でもその中でも微妙な違いがあるような気が(以下略)
 あ、でもluiiっぽいのも来てる気はします。えーと、たしか最後にアラネウスが来たときとか、今年の初めの頃に来てたやつの中には、あー、これ昔来てたルイーと同じやつっぽいなーってのがいたような。もちろん、管理人が知りうる範囲の話であって、あんまり縁のないショップさんとかに、いくらでも来ているかもしれませんが。

 ところでこのへん、昔から漢方として捕獲されてたと聞きますけど(漢方とか食材市場から来てた中国の動物すべてに言えることですが、だから昔は状態が極めて悪かった)、寡聞にして何に効く漢方なのかを知りません。まぁ、あんまり興味なかったから調べてもいないのですが(苦笑)

 一体何に効くんですかね。
 でも、漢方といっても、植物とかカエルとかイモリとかならともかく、ヤモリにそんな薬効があるとも思えませんし、なんだろう、ちゃんとした漢方じゃなくて、サイのツノが癌を治すとか、虎が精力剤になるとか、それは漢方っていうより類感呪術とかそういう類と同列な何かじゃないの?みたいなやつかな。

Goniurosaurus cf. luii  WC

Goniurosaurus cf. luii WC

 たぶんこれはluii……だと思っていたのですが、先日、このタイプの個体で前肛孔が31あるっぽい個体を見てしまい、混乱しているところ。ただ、ルーペで見ただけで写真撮影して拡大して見たわけじゃないから、数え間違いだった可能性もありますが……。
 いやでも、これルイーだと思うんだけどなぁ…………違うのかな………。ちなみに、うちにいるこれのオスっぽいやつは25。あと先日オスを借りたんですけど、それも25だったです。