今年もどうにか繁殖に成功。これは血統のA(単純にABCDでナンバリングしている)。といっても、外見からは殆ど分からないですが(苦笑) 帯の乱れは、同じペアからだと同じようなものが出るので、よくよく観察すれば分からなくもないんですけど、成長したら模様は消失しちゃうから、たぶん分からないんじゃないかな。
飼育繁殖を始めた頃から思っていたことですが、バワンリンはメスが小さいこともあって(卵も小さいんですけど)、ペアで入れておいて産卵するに任せておくとメスへのダメージが深刻になるやもしれませんので注意が必要な気がします。管理人自身はそんなミスをしたことないですけど、そういう事例を見たことはあります。そうした個体を入手して治療してみたところ、快復させるのに一年半を要しました。快復はしたと思いますが、背骨の曲がりは治りませんでした。
もちろん、ペアで飼育できないということではなく、餌を多めに与えていれば問題にはならないのですが、他の種に比べて明らかに産卵することで痩せやすいのに、ペア飼育していると2クラッチで止まらず3クラッチ目を産卵してしまう傾向がある気がします。他種だと同居であっても、栄養豊富なときだけ3クラッチ目にいくことがある、ぐらいな感じなのに対し、栄養状態に関係なく、なんか止まらないで産んでしまうという印象が。
Goniurosaurusの中ではcatbaensisがいちばん、産卵前にげっそりと痩せますが(あれは卵が大きい)、そのぶんよく食べるので快復させることも難しくは無いです。バワンリンは一度にはそんなにがつがつ食べないから、こまめに餌をやる必要があって、それをちゃんとやれないと体が小さいこともあって2クラッチ目ぐらいの頃にはけっこう痩せやすいので、1クラッチ産卵したら、まめに餌をやるようにしますし、痩せ具合が予想以上だったらペアを分けています。場合によっては、抱卵した時点で分けちゃうこともあります。
というのも、まだ確証はないのですが、Goniurosaurusは1回の交尾で1クラッチ産卵し、それで止まるような気がするからです。
無論、種類によっても違うかもしれませんが、Goniurosaurus araneusとGoniurosaurus catbaensisでは、それぞれ2例と1例、1回だけ(それも一晩だけ)のペアリングを試みてみたところ、1回産んで、その後は産卵しないという事例が観察されました。もちろん、その時だけかもしれないし、まだこれをもってそう断言するのは早計でしょうが、いずれにせよ分けて飼育しておけば、産卵し続けて消耗してしまうことは避けられるかもしれません。
もっとも、同居させておく場合、どのタイミングまでは交尾が有効なのか………つまり、1クラッチ目を抱卵している時に交尾した場合(そうした交尾が成立するのかどうかも知りませんが)、それをもって2クラッチ目を産卵できるのか、産卵した後の交尾でないとダメなのか、そのあたりのことはまだ調べられていませんけれども。
管理人は比較的ゆるゆる繁殖させる主義なこともあって、Goniurosaurusをそんなにやたら毎年繁殖させていません。いえ、毎年繁殖させるスタンスですが、基本的には1-2クラッチ採れればそれでいいかな、と思っていて、3クラッチ採ることは稀です。過去、種類によっては4クラッチまでは行くこともあると知ってはいますが。(luiiではそこまでやれたことないですけどねぇ。ハイナンでは上手くやればそれぐらい行ける。でもバワンリンはハイナンのグループじゃなくて、大陸系のグループですけども)
バワンリンは、いままで年最大3クラッチまでしか採ったことがなかったと思います。ちゃんと餌やりをしていれば、危なげなく問題なく、これぐらいは採れますから、おそらくバワンリンであれば4クラッチ行けるだろうとは思いますし、管理人程度でも体調を崩させずにそれぐらい殖やすことは可能でしょう。(先述のは、おそらく産卵させておきながら、ちゃんと餌やりしてなかったんでしょうね)
でもまぁ、なんかそれやるときって、すごい無理をしている気がするというか…………基本的には、年2クラッチを基本として、調子が良さげだったら3クラッチ目採れたらいいかな、みたいなスタイルでいいかなぁ、と思っているのですが…………
でも、そもそも、このへんは、自然下でだいたいどれぐらい産卵するものなんですかね。そのへんが分からないと、どういう飼育スタイルのほうが自然なのか、結論は出せませんよね。なんとなくluiiやaraneusをペアでぼんやり飼育していると、年2クラッチぐらいが基本なんで、Goniurosaurusはそうかなーって考えちゃってますけど、ハイナンもだいたい2クラッチだけど、3クラッチ行くことも珍しくないし………。
もしバワンリンが年間3-4クラッチぐらい産卵するのが自然下で普通なら、ペアを分けて産卵を止めるのではなくて、そういう風な産卵数であっても問題ない(痩せない)ような餌やりのスタイルで飼育するほうが、より自然だということになるかもしれないわけで…………うーん、難しい…………