ムナジロマイコドリ(雄)/White-collared Manakin (male) (Manacus candei ) 
 2009.03 コスタリカ La selva

 鳥をよく見るようになりました。住んでいるところに鳥が来るようになった、というのではなくて、鳥を意識的に見られるようになった、という意味です。

 もともと鳥は好きではありましたが、せいぜい名前を知っているものがいる、ぐらいで、どこらへんからどこらへんにかけて住んでいるのか諳んじられはしないし、そうだと分かってはいても、本を読んで覚え得ようとは思わないという、その程度のものでした。つまりは意識のレベルが低いわけで、見える鳥は見ていましたが、見ようとしているわけではなかったから、そこにいても見えないものがほとんどだったわけです。いまは、見ていなかったものが少しは見えるようになった状態、というところでしょうか。

 コスタリカでは本当に鳥が多く、いろいろいて見ていて飽きませんでした。鳥のおもしろさに触れ、日本に帰ってからも空を見上げる機会が多くなり、より、鳥の存在に気づくようになった感じです。気づくようになると、それまでひとくくりだった鳥がいくつもに分かれていることに気づけるようになり、こんなにも色々な鳥がいたのか、ということに気づくと同時に、知らない部分があるという事を実感として知ることになり、本に手を伸ばすようになりました。

 世界は存在として一つですが、僕らが見ている世界は僕らの知覚を通して意識の中にのみ存在するわけで、意識の有り様次第で世界は変わるとはよく言ったものです。
 鳥が好きな人は、鳥がたくさんいる世界に住んでいて、花が好きな人は、花咲き乱れる世界に生きているのかもしれません。