タイリクシュウダ  ”パープルハイポ”/Elaphe c. carinata “Purple Hypo” CB 2016 (2016.09.14)

 
 
はいはいこんばんわー。
とくに誰も求めていないとしても、それは時代がゆえ。シュウダがめっちゃペットとしてブームになっているであろう21世紀には、きっとこの文章も歴史的てきすととして価値があることでしょう!

 
 

 ………あれ? もう21世紀です? 

(※ ヘビが21世紀にペットとして大ブームになってる、というのは、ドラえもんのつちのこネタからです <説明されましても………)

それはさておき、パープルハイポと管理人が勝手に呼んでいるこの色彩変異ですが、遺伝することがわかりました、というお話。去年ヘテロ同士の交配からすべてがノーマルになったときはくらくらしたものですが(苦笑)

なんとか遺伝してくれるということが確証が持てたので、よかったよかったという感じです。まぁ、幼体だと見た目もちと地味だなって感じありますが、でもほら、親は綺麗じゃないですか? だから、成長してくれると、ぐぐぐぐぐっ、と素敵になってくるのだろうと思っていますけれども。色が出始めの頃合いに、どんな色になるのか気になるなぁ………ごくわずかな期間しか楽しめないのだとしても、楽しみです。

………ふむ、それにしても、まぁとくに話に落ちもなければ学ぶところもない話ですね………もっとも、このサイトは昔からそうなので今更ですが!

でもまぁせっかくなので、ちょっと関連して、たまには飼育繁殖に関するちょっとした小話でも。

elaphe_c_carinata_h_egg2016

この写真は、結果としてノーマルでしたが、同じクラッチにあった卵の写真です(上の写真だと一番上に写ってますねー)。すでに孵化したあとで、ちょっと放っておいたので乾燥しちゃってますが(苦笑)
見ればわかりますが、1/3弱ほどがカビています。これは、産卵された卵の時点で、卵殻が正常ではなかったせいです。なんていうのでしょうか、白い部分は正常で、白でない部分はスラグの卵のような、そんな卵だったのです。

ヘビを繁殖させていると、たまにこういう卵に遭遇することがあるでしょう。親の状態を仕上げるのに失敗しているということなのか、他の要因があるのか。まぁ親の状態の仕上げが甘かったときになるのであろうとなんとなく思っていますけれども、それでも10数個のうち1個が偶さかこうなるということは、あり得ることでもあります。コーンとか産卵数がそこそこあるやつやってればそれなりにあるでしょう。

過去、この手の卵はコーン、スジオナメラで経験したことがありますが、基本的に孵化させることができます。何もしないで孵化させようとすると、卵殻がちゃんとなっていない部分からカビが発生してしまい、どんどん酷くなってしまうのですが、方法としては二つです。床材に接触させないでひたすら定期的に綺麗にするか、なにかで塞いでしまうか。

写真の卵は、よく知られる方法のひとつ、アロンアルファを使っています。ただ、最初からではなくて、1ヶ月ぐらいは、ひたすら定期的に拭いたり小削いだりして綺麗にしてました。まぁ、たぶん最初からアロンアルファでやったほうがよかったような気がしますが(苦笑)

アロンアルファの原材料であるシアノアクリレートは水分に反応して重合するのだそうで、程よく湿った卵に垂らすとそこで固まるわけです(湿ってなくても、まぁ空気中の水分で固まりますけど)。
割れてしまったハードシェルの修復にも使えるそうですが、うちではヒルヤモリの卵をミスで割ってしまったときにやりましたけど、うまくいきませんでした……まぁ、機会があれば再挑戦するつもりですが、再挑戦できる機会があること自体が問題ではありますな。

なんにせよ、アロンアルファで封をすると、カビたりしなくなります(当たり前ですが卵全体に塗るのではないですよ、卵殻がおかしい部分と、その境まで、です)。まぁ、やる前にできるだけ卵の当該部分を綺麗にしておいたほうが気分的によいですね。
過去、ワセリンで封をしてみたりとかやってみましたけど、まー、あれです、アロンアルファが一番楽じゃないかな(笑) 楽ってだけではなく、無駄にカビたりしないようだし、たぶん卵にもそのほうがよさそうなのでは、という気もします。

こうした卵から生まれる個体というのは正常なのか?というのは気になることだと思いますが、なにかあれば、発生が進まくなってば普通に途中で卵がダメになって終わりじゃないでしょうか。正常に発生して生まれてきたやつは、普通の個体だと思ってます。こういう風にして生まれたマレースジオを飼ってますけど、普通に育ってますし…………
正常に見える卵でも死籠りはありますしねぇ。

というわけで、一部がへにょっとなってる卵でも、こんなことして孵化させてみると、案外うまくいっちゃうかもですよ?、というお話でした。

アロンアルファのことは、雑誌とかでも出てたの見たことあったような覚えがあるし、ヘビとかカメのブリーディングやってる人はけっこう知ってるかもと思うのだけれど、ここは両生類やってるひともよく来るかもしれませんからね。むむ、そうなのかぁ、と思っていただけるかもとか思ってみたり。まぁ、両生類をメインにしている人は、冒頭のヘビの写真をみた時点で、「あ、今回もまたヘビの話題かー」ということで、読んでいないかもしれませんが……。