前引き戸式のビバリウムだと、二枚のガラス引き戸が重なり合うところに、どうしても線?が入ってしまいますよね。

これをどうにかできないか、また、極小のものも逃げられない小さいビバリウムを作りたいなと思ったので、二種類ほど、鑑賞性重視ということで、前面がほぼすべて扉になる構造のものを作ってみました。

連結するほうはともかく、蝶番のほうは蝶番が目立つぶんだけ鑑賞性が落ちるかなぁという気もしなくもないのですが、まぁ真ん中の線よりは、個人的にはありかなと。

いずれは「ビバリウムのつくりかた」のページにまとめることでしょうが(<ほんとかぁ?)、今回はまとめる前に、つらつらと書いてみる感じです。

いえ、便利なんですけどね、前引き戸。メンテナンス性は良いですよね。でも、真ん中に線が入るのって、なんかひっかかりませんか?

せっかくレイアウトして植物も入れて、ガラスを磨いて、でも真ん中に線がある。これでいいのか?

そんな風に思ってしまったのです、ヤドクガエルビバリウムをほとんど完成させたあとにね!(がっかり)

いやまぁ、それは前々から思ってはいたんですけど、ヤドクガエルビバリウムぐらいのサイズのものをガラスで作ると、一人で持ち運べなくなっちゃうので、しょうがないかな、と思っていたところもあります。ですが、実際に一枚ガラスの扉のビバリウムを作ってみると、思っていた以上によかったんですよねぇ……(  ̄_ ̄)

 
 
 

さて、前面がほぼすべて扉のビバリウムを2種類作ってみたと言いましたが、どちらも構造としてはありふれたものです。かなり古い書籍でも見られるし、ちょっと考えれば、誰でも思い至るでしょう。名前があるわけではないと思いますけど、なんていうのかな、蝶番式と、連結式とでもいうのでしょうか。

今回はつくりませんでしたが、前面のほとんどが扉であるケースというと、単純な構造として落とし扉方式というのがありますね。30cm以下でなら、それも悪くないです。いまは売ってませんけど、オールガラスのやつで、昔ありましたよね。名前忘れましたけど、ウィンドだかウィンダムだかウィズダムだかそんな名前だったような?(どれもヒットしなかったので、なんか違うのでしょう……と書いてて思い出しました、ウィンディですね。引き戸のやつと、落とし扉とふた通りあったような)

ですが、この構造で40cmを超えるのは無理があります。できないわけではないでしょうが、毎日開けたり閉めたりするのは、どうなんでしょう。3mmガラスは破損や毀損の懸念がありますし、4mmにしたら断頭台になってしまう恐れもあります。
そしてなにより、棚に並べて利用できない。これが管理人のような並べて利用したい人間には、一番のネックです。上に引き上げたときに、当たってしまうじゃないですか。そんなわけで、落とし扉方式は、管理人には使えない構造なのです。

話を戻しますと、そんな前から知っていたのなら、なんでいままで作ってなかったのさ、という話ですが、これは、蝶番方式に関しては、実は過去には何個か作っていたんですが、いまひとつ好きになれなかったんですよね。いままで管理人が作っていたのは、上に蝶番があって下から上に開けるやつとかで、アクリルで作っていたんですが(たとえばコレコレなんかがそう。後者はさらに連結してますね。まぁ蝶番式で連結というのは、材料が少なくてすむだけで、取り回しが悪いので個人的にショーケースでもないかぎりはオススメしません。作ったけどコレほとんど使ってませんし)、なんかいまひとつ、管理人的には、心に響く構造じゃなかったです。アクリルやアルミアングルとかで取っ手をつけるというのが、なんか個人的に野暮ったかったのかな。

ところがある日、この動画(DIY: How to make a glass terrarium / vivarium / enclosure )をみて、とてもこれは素敵だと感じたのです。それで、真似て作って見たってことですね(まったく同じではないのですが(天板を僕のほうは接着してしまったので)。

どこが良かったかというと、手前のガラスが上に出っ張って、それが取手がわりになるところかな、と思います。ちょっとした違いだとは思うのですが、これが個人的にかなりカッコよいと感じたわけです。まぁ来月ぐらいには「やっぱこっちのほうがいいな!」とか違うやつを褒めてるかもしれませんけど <ろくでもないなぁ

落とし扉方式に一長一短があるように、蝶番式と連結式にも、それぞれ一長一短があるように思います。たとえば、連結型は大きなものを作ることが出来ますが、逆に小さいものを作りづらいですし、取り回しに劣ります。繋げた数だけ同時にしか倒したり横にしたりが出来ません。

蝶番式は、逆に、大きいものが作りづらい。ガラス扉が巨大になると、まぁ住宅建材などを使って枠を作るという手もありますが、それはなんか別ジャンルだから置いておきましょう。ガラスを蝶番だけで接着する方式としますと、蝶番が耐えられる荷重まででないとダメです。

例えば冒頭の写真は小型のもので、サイズは240*300*300(正確には305mm)です。作ってみた感じ、おそらく扉のサイズは、何mm厚を使うかにもよりますが、600mm*300-450cmぐらいまでじゃないかなと思います。蝶番が下にあり、上から手前に開くタイプのビバリウム(テラリウムでもなんでもいいですよ)の場合だと、高さで600mmとなると、それを下にこう、開けておろさなきゃいけないので運用上の問題があるような……そこまでいったら、やはり建材(浴室とかシャワー室に使うようなのとか、アルミサッシとか)使って横にってほうが現実的なんじゃないでしょうか。

蝶番(ヒンジ)が気になるかもしれませんが、それが気にならないならば、扉全体がガラスなので、内部の視認性がよく、見栄えするかなと思います。今回はガラスに穴をあけて通気口を作ってますが、ガラス扉と下のガラスの間にアルミなどで作った通気口(というか枠みたいの)を挟み込むという手もあるでしょうか。

蝶番式にも、基本的な構造としては2種類あります。つまり、扉が他の4面に対して、「嵌まり込む」タイプと、「当たる」タイプです。たとえばエキゾテラやZooMedのナチュラリスティックテラリウムなんかは、嵌まり込むタイプと言えます(まぁあれは横ですが)。

写真ですと、大きいほうが嵌まり込むタイプであり、小さいほうが当たるタイプです。それぞれに一長一短があります。
個人的には、扉が当たるタイプのほうが、せっかく作るならよりよいように思います。理由は、嵌まり込むタイプは、どうしても隙間ができてしまうことです。

ただ、嵌まり込むやつは、写真のがそうなのですが、600*300*400のガラス水槽を原材料にして作ると、場合によってはちょっと改造するだけで作れたりするので、作業量を減らすことができるというメリットはあるでしょうか。あとガラス水槽改造だとガラス板を買うよりも安いのです(笑)
(ガラス水槽は、上からみたときに枠が作られて、その中央にガラスがはまってるような構造であるため、側面を剥がすと、下が5mm凹むことになるので、当てるタイプの扉を作るには、この凹みをどうするか、という問題と、剥がしたガラスではサイズが足りないので、そもそも別途ガラスが必要になる。もっとも、天板の部分のガラスももともと必要になるが。写真のやつは、長さが600だと管理人の棚に設置できなかったので、一旦解体して520mmになるようにガラスをカットして、カットした部分を天板の部分に流用、また、カットした面を後ろにして組み立てたもの。切断面を後ろにするのは、切断面仕上げがしてあるほうを手前にしたほうが綺麗に見えるから(笑))

小さいサイズでしか作りませんので、素人(つまり管理人ですが)の工作精度でも、隙間は1mm以下で問題なく組み立てられます。管理人は手製のシンプルな治具を使いましたけど、なくてもできるレベルです。マスキングテープ固定オンリーで全然いけるでしょう。

ですが、ショウジョウバエやピンヘッドのコオロギを使いたいという場合はネックになるかもしれません。管理人はこの小さいものを、ヒルヤモリ、クチサケヤモリ、チビヤモリのハッチリングを育成するために作りました。100円ショップの米びつ的なケースはもうやめようかな、と思ったんですよね。なによりあれらはポリプロピレンだから、紫外線蛍光灯を当ててると、5年ぐらいでダメになってくるのです。

もちろん、嵌まり込むタイプにもよいところはあります。並べたときに、ちょと見栄えがよいような気がすること、並べたときに深く考えなくても、扉が左右のケースや棚の柱など、周囲に干渉しない(ぶつからない)ということです。あと、開ける時にちょっと楽です。枠を親指で抑え、人差し指で扉を開けるから(右側の部分を左手で持って開ける場合)。

当てるタイプだと、、左右に同じケースをぴったり並べると、擦ってしまってなんかやです。まぁ、これはケースとケースの間に、0.3-0.5mmぐらいの板を挟むとかすれば解決できますから、そんなにクリティカルではないかな、と思います。あるいは、ガラス扉のほうだけ、0.25mmぐらい左右をちょっと狭くしておくか。

隙間がまったくないのを作りたいなら扉は当たる方式で、それよりも嵌まり込むほうが見栄えがよいように思えるなら、そちらで作ればよいのであり、まぁこのあたりは好みでしょうか。

ただし、当てる方式の扉の場合、ガラス板の切断面の処理がちゃんとできていることが前提条件になります。とはいえ、これはさほど大きな問題ではないです。なぜなら、ガラスをオーダーするなら切断面はちゃんとしたものがきますし、ガラス水槽を解体する場合、切断する面を手前ではなく後ろや下にし、すでに切断面仕上げがしてある面が必ず手前に来るようにするというセコ技で、これを乗り切ることができるからです(笑)

ガラス扉の貼り合わせは、当てるタイプなら組み立てる場所に乗せて接着するので問題ないが、はめ込みタイプだとそれが難しい。その場合は、平滑な面で組み立行って、本体に組み込んだほうが、大きいものでもずれなく接着できる。たぶん。
2枚のガラスがずれないようにマスキングテープで固定する。蝶番の周りのテープはマスキングなので、このあと固まる前に剥がします。

好みということで言えば、当たり前ですが、このケースはどうしてもヒンジ(蝶番)は必要です。この蝶番が真ん中の線よりも気になるというなら、これは違うものを作るしかないでしょう。

なお、管理人が使っている蝶番は安さ重視のステンレス蝶番で、小さいほうがハイロジック ステンレス蝶番 17492 38mm 、大きいほうがハイロジック ステンレス蝶番17493 51mm。これは自分用のメモ。

ネジを止めるための穴が開いてしまうのはご愛嬌ですね。気になるなら、金属の外装を接着するという手もあるでしょうか。

余談ですが、シリコーンで蝶番(ヒンジ)のようなものを作る、という方法はあるとは思います。早い話が長持ちするクラフトテープのようなものをシリコン&他で作ろうというだけなんですけども。

管理人自身は、ステンレスメッシュででしかやったことがないのですが、160とか180ぐらいのステンレスメッシュを帯のようにカットして、支えるガラス板のサイズにもよりますが、上下7-10mmぐらいになるように、シリコンで接着するという方法です。どれぐらい耐久性があるかは、それほど使っていないので、わかりませんけれど。

ただ、これを綺麗に仕上げようと思うと、接着する長さよりも長い、ポリプロピレンの板が必要です。余分な部分にはマスキングして、この板を押し付けるようにして接着するわけです。マスキングテープなどで固定しながら、複数回シリコンを塗って組み立てる方法もありますが、ちょっと綺麗に仕上がりにくいんじゃないでしょうか。

ステンレスメッシュではなく、ポリエチレンメッシュやナイロン繊維などでも、同じようにできるかもしれず、それでやれば前面に金属っぽさが出ないかもしれませんが、過重と耐久性を考えるとやめたほうがよいでしょう。
あと、なんていうのかな、プラスティックヒンジっていうプラスティックでできた蝶番というのではなくて、ガラス板を差し込むだけで蝶番っぽくできる、PVC製のやつがありますから(Google画像検索)、見栄えが気にならないなら、あれを使うというのも悪くないかもしれません。国内で売ってるのかな、あまり興味がないから調べていませんが。

アルミパンチングボードをニッパでおおよそカット、あとはヤスリで削って形を整える。仕上げは#400のサンドペーパあたりがよいかも。

写真はヤドクガエル用ではないので、通気性はそこまで考慮されていません。この穴を一個ぐらいで十分かなと思ったのですよね。左右に24-30cmですから。45cmぐらいあったら、2個欲しかったところでしょうが。
つまり、ヤドクガエル用にするなら、もうちょっと構造に工夫が必要でしょう。
いわゆる前面吸気口と同じ構造を持たせる必要があるわけですが、これをするには曲線カットが欠かせないでしょう。手前のパーツを、コの字(解放部分が下)にする必要があるからです。横にガラス板を渡す方式は、蝶番で接着されるガラス扉を支えるには、強度不足ですから無理があります。まぁ、ちょっとガラスの幅をもたせる&端っこの部分をちょっと細工する&扉を3mmやれば、ぎりぎりいけるかなぁ、という気もしますが(前面吸気口自体にもシリコンで接着できるので、少しそこが支えになることも考慮すれば。ただ、耐久性がどうかな……うーん、気になるから、こんど45キューブで試してみようかなぁ。3mmガラスならいけそうな気がしてきました)。

しかし、個人で曲線カットをすることは極めて困難でしょう。ホールソーとディスクグラインダーを組み合わせるのも現実的ではありません(管理人は考えただけで、いやすぎるなぁと思ったので、やってませんしやる予定もないです)。ウォータージェット加工を依頼するという手もありますが、これは予算が厳しいところです(苦笑)

よい治具&工具を使うという手もありますが、なんだかんだで、ちょっと個人で作るのは面倒かなという気がしますね(この治具、登場した当初から知ってはいたんですが、なにぶん500ユーロですからねー。ケース作って売るのでもないかぎりはさすがに買う気がしない)

管理人はアクリルパーツをルータで削り出したり、まぁいくつかやりましたが、やはりガラスに勝る耐久性のある素材はないですからね。やはりガラスのパーツが欲しいところです。

じゃぁどうするのさ、という話になるのですが、まぁこれは、実は構造を考えてみたものの、作っていないので、また今度ということで……いや、簡単なイラストにはしてみたんですけど、実際に実物をみたときに、これは見栄えするな!と感じるかどうかは、やっぱり作ってみないとなんともえいないところが。

ただ、この蝶番式には、前面吸気云々以前に、ヤドクガエル飼育をするには大きな欠点がありますので、作らないかもしれません。蝶番式の欠点は、いうまでもなく、すべての扉をフルオープンにするしかないところです。まぁ、ヒルヤモリ飼育的にもこのへんは欠点なんですけど、跳躍するヤドクガエルほどじゃないかな、と思いますね。まぁ、ヤドクガエルといっても、DendrobatesやPhyllobatesの中型の種や大型種なら問題はないかもしれませんけど、小型種はねぇ……あと弾丸ミサイルのように飛び出す連中もですな。バスレッリィとか。

そのへん、引き戸は、数センチの隙間で開けられるところが便利なのでしょう。45cmのガラスビバリウムにヤドクガエルの小型種を入れていて、その扉をフルオープンにして毎日メンテナンスするとか、無理ゲーすぎでしょう? なんでこんな構造にしたの、ばかじゃないの?という感じじゃないですか。ショウジョウバエ逃げまくるし、カエルじゃなくてショウジョウバエでも、挟んじゃったらぐんにょりしてしまいそう。(まぁ、そのへんは実は昆虫ゼリーを中程にいれておいてショウジョウバエが拡散しないようにしておくとか、運用でどうにかなりそうな気もしなくもないですけど)。

ではどうするか?

ということで、ヤドクガエルとかにはもっとシンプルに、大きいものも作りやすい連結式引き戸のビバリウム(テラリウム)かな、と思います。理屈はほとんど、仕切り板付きのプラケですね。

ただ、こちらもまだヤドクガエル用を作っていませんで、写真はヤモリ&トカゲ用に作ったものですが。とはいえ、こっちは構造を工夫するだけだし、どういう外見になるかは想像できてますから、作ろうと思えば簡単かなと思います。

これは説明はほとんど不要でしょう。ビバリウムを横に連結して、スライドレールの部分を共通にしただけです。写真のものはアルミフレームで作りました。このサイズのものを一人で作成して移動できる重量で作るには、アルミフレーム&樹脂板がベストであり、ガラスでは重すぎるからです。(なんでフロントラインが中に転がっているのかは、管理人にもよくわからない……)

二人で運べるならば、900*450*450とかでも作れますね。前面吸気式のビバリウムを作る場合は、重量の問題があるので(計算してみればわかりますが)、ガラス板を横にして側面とだけシリコンで貼り付けた方式では無理があります。

コの字のガラスにするか、ある程度の長さごとに手前から奥に支えになるガラス板を入れてシリコンで接着するか(欧州で巨大なビバリウムを作る際によくあるスタイル)、あるいは、以前管理人が作ったように、橋架のようにガラス板を並べて、その上にアルミレールを設置するか、まぁ、いくつか解決策はあるでしょうか。

もちろん、右側のものは右側から、左側のものは左側からしか開けられない、という不便さはあります。ですが、使ってみると、最初からそういうものだと分かっていれば、そのようにレイアウトすればいいだけで、そんな不便さは感じませんでした。ヤドクガエルビバリウムなんかもそうなんですが、たいていは片方どっちかしか使っていないものなので。

この構造は、仕切りとなるパーツを取り外せるように作っておけば、後々、数を多く飼育するより、大きいビバリウムで管理したいな、と思ったときに便利である、というメリットもあります(笑)

まぁ、一度使い始めたら、そういう気分にはならなさそうだとは思いますが、できるようにしておくのも悪くないかなと。写真のものは、アルミチャンネルのようなものが三辺に固定されていて、そこに板を嵌め込む方式なわけです。アルミフレームであるのでそうした部材をリベット打ちしてありますが、底面はシリコンで接着しているだけです。ガラスで作る場合は、同様に単に接着してしまえばよいような。
当然、嵌め込む板は、一枚板では無理なので、二枚に分かれており、それをアルミハカマ(切断面がH型のもの)で挟み込んで、手前からアルミチャンネルのような出っ張りがあるアルミ部材で固定しています。当然ですが、パワフルな大蜥蜴なんかの場合は、この構造では無理でしょうね。ヘビもちょっと心配かな。ヒルヤモリや各種ラコダクぐらいなら大丈夫です。

ヤドクガエルビバリウムであるとか、土が常に濡れている多湿環境である場合、アルミニウムはアルマイト処理してあっても、切断面を処理しても、頻繁に濡れる部分は劣化しますから、アルミチャンネルではなく、アクリルかPVCなどの樹脂でパーツを作る必要があるでしょう。まぁそのへんは簡単に作れるんじゃないかなと思います。

ところで、ひとつ忘れていましたが、蝶番式は、写真のやつはマグネットキャッチで扉を固定しています。蛇などを入れる場合にはロック方式にする必要があるでしょうが、クチサケヤモリとかならこれで十分です。

とはいえ、日本は地震がそれなりにありますから、蓋はしっかりと固定したいところです。いくつぐらいの吸着力があれば良いのでしょうか?

計算してみようかと思ったのですが、なかなか計算が難しそうでよくわからなかったので、実際に製品をつけてみました。それで感想としては、6mmの290*320(0.29*0.32*6*2.5=1.392kg)ぐらいの扉の場合、42Nの吸着力のものだと、かなり力が必要で、片手で開けるのが難しく、使いづらい感じでした。では弱ければよいかというと、24Nぐらいだと固定できなくはないのですが、簡単に空いてしまって、力不足な感じが否めません(こちらも実際に接着して試してみたのです。実は上のほうのやつの写真のマグネットキャッチが、樹脂の白いやつになってるのはそれが理由。結局弱くて使えなかったので、42Nのものに付け替えました)。

3mmの240*240(0.24*0.24*3*2.5=0.432kg)ぐらいの扉の場合、20Nあればしっかり固定されているようでした。

強すぎると開けづらくなりますし、このへんは難しいところですね。それに、ガラスの形状や設置箇所によって全然変わってくると思います。

ちなみに写真で使われているのはTRUSCOのTSM-10というやつで、Yodobashiさんで50円しないお手頃製品です。デザインも個人的には好みなので、小さいやつにはこれ一択ですかね。吸着力は20N。
大きいほうは、同じくTRUSCOの、TSM-60SSVを使っています。吸着力は42Nで強すぎるきらいがあるので、ステーの方に薄くシリコンを塗って、その厚みで力を調節しました。こちらもフルメタルだし素敵かなと。

ただ、外装はアルミとなっている製品でも、たとえばTSM-10は磁石を挟んでいるパーツはスチールっぽいし、磁石でくっつく以上、少なくともステーの部分はスチールです。乾燥系ではない多湿になりがちな飼育環境の場合、シリコンを表面に塗らない場合には、錆びないよう、ハヤコートでコーティングするとよいかもしませんね。

今回の写真のものは、ガラス扉の出っ張りを5mmほどで作っています。ですが、これを10mmぐらいにすれば、ステー(マグネットキャッチが吸着する金属の板のことです)を上に貼ることも、できるのかもしれません。中に接着するのではなく、そちらのほうが、案外見栄えがよいかもしれません。個人的に出っ張りは10mmだとなんかなぁ、という感じだったので、こっちにしました。このへんはお好みでしょう。
ただ、マグネットキャッチの位置によっては、開ける時の力のかかり具合が変わってくるので、最適な吸着力が変わってくるかもしれませんが。

それでは、皆々様、最後になりますが、ガラスをカットするさいは、ゆめゆめお気をつけください。未成年のかたはご家族に相談されるがよろしいでしょう。

個人的には、ガラスをオーダーカットして入手してしまい、シリコンで接着するだけに留めるのがオススメです。

もしどうしてもガラスカットしたい!という場合は、ビバリウムのつくりかた、の中でも紹介しているように、防護メガネとマスクを必ずすること、細かいガラス片がかならず発生するので、衣服はあまり毛羽立ったものを身につけず、やったあとはコロコロ(粘着のやつ)とかで衣服なども綺麗にするようにすると良いのではないでしょうか。まぁ、自分でやってみて思いましたが、やっぱりあんまりオススメできませんね。ガラスがカットできると、とても自作が面白くなってくる、というのも、事実ではあるんですが。