玉蜀黍畑の唄/CornSnakeSongs

iconバター/Butter

iconCaramel+Amelanistic

Butter  Photo Data:(C)HerpSupply

 初作出の経緯は、Caramelを参照のこと。それに拠れば、初作出年は1991年になる。
 「バターコーン」という単語を聞いて、コーンにバターを乗せて暖めた料理ではなく、コーンスネークの方が頭に浮かぶようになったら、愈々人として間違った階段を、戻れない所まで駆け上がった後であると考えてよい(駆け下った、或いは転げ落ちた、かもしれない)。

 知り合って日の浅い人で、「ムムム、コイツはコーンスネークを飼育しているのではないか?」と思ったら、「バターコーンって好きですか?」と訊ねて反応を見ることで見抜けるかもしれない。管理人には観察眼がないので無理であるが。

 バターは日本語では牛酪と書き、読みは「ぎゅうらく」。ただ、英語圏のbutterという単語は、必ずしも牛の乳から作ったものだけを指す訳ではないらしい。世界的にはかなり古くから知られている食品で、その由来は定かではないほど。色々な種類があり、色にも幅がある。確かにバターも黄色いといえば黄色いが、幾ら何でもコーンスネークの黄色い品種をバターと名付けるのには無理があるのではないか、というかどういう発想なのか、と思うのが日本人の一般的感覚ではないかと思うのですが、文句を言ってもしょうがないので気にしないことにしとくとよいかと思われます。

 全身が真っ黄色になる品種なので、黄色の色合いを愉しむ品種ということになる。元の個体として赤の色合いが強ければ強いほど黄色くなる。
 改良の方向性は幾つか検討されており、フロステッド系と絡めることで黄色と白を織り交ぜ、全体的に涼しげな印象とさせる方向もあれば、サングロウと絡めて全身を濃淡の黄色で染め上げる方向もあり、いろいろな方向性で品種改良が進められている。
 フロステッドが混じれば折角の黄色がぼやけてツマラナイという意見もあるし、サングロウのようにベタ色にしてしまうと、色が繋がってしまい減り張りが失われ、全体の印象が諄くなって優雅さに欠けるという意見もあり、結局のところどちらがよいかは好みの問題となるだろう。
 例えば、斑紋部はベタ色にしておきつつも、地肌との境界線である縁取りに、細く白が入るようにしたりする改良もあるし、マイアミ系と絡めて、地肌の色を消したり、限りなく淡い黄色にしたりという改良もある。そうした各々の好みの方向でセレクト・ブリードされている感があるので、ブリーディングに際しては親個体の選び甲斐のある品種だと云えるかも知れない。

iconButter Reverse OkeeteeCaramel+Amelanistic+Okeetee+Select


No Photograph

 バターの改良品種で、Reverse Okeeteeとのコンビネーション。特徴は斑紋内部の強烈な橙色と、地肌のうっすらとした黄色のコントラスト、なによりも斑紋を縁取る白い部分による全体的な印象の変化。単色調の外見が、色調の強化によって豪奢な雰囲気を持つようになる。ただし、そこまで縁取りが白いものは、そもそもReverse Okeeteeとしてのクオリティが高くないと望めないので、目下発展途上の品種であるようだ。

iconBanded-ButterCaramel+Amelanistic+Miami-Phase+Select


No Photograph

 バターの改良品種。バンディッドバター、バターキャンディケイン、バターミルクフェイス、まぁなんでも好きに呼べばよいんでは。個人的にはバターミルクがちょっと頬笑ましいので好きですが、品種名としては、やはりバンディッドバターが分かりやすいような気がしますね。
 他品種との差別化という意味もあるのだろう、使用されるアルビノはミルクフェイス、或いはアルビノバンディッドのもので、傾向として腹側部まで斑紋を伸ばし、地肌の色合いからは黄色を抜く方向で作られているようだ。正確には、挑戦している人口がそう多くないので、挑戦している人々の間で良いと思われる方向性がそうだということなのだろう。斑紋だけが黄色いキャンディケインの方向で挑んでも、それはそれで面白いのではないかと思う。

iconStriped ButterCaramel+Amelanistic+Striped

Striped Butter female

 バターにStripedを導入したもの。

 成長すると薄い黄色の地色に、濃いめの二筋の条線模様が入る品種で、条線の入れ方に品種改良の方向性が問われる。元となったバターの斑紋外縁部に白が入るようだと、条線を縁取るように黄色味が薄くなると考察されているが、正確なところは明らかではない。

 作出方法に問題があると推察されるが、額板に歪みが生じている個体が散見される。頭部の矮小化はあまり聞かないので現時点では顕著ではないのだろう。いずれにせよ、このあたりは一時的なもので、改善が図られるのだろう。

Striped Butter female
baby 10 month

iconMotley Butter "Frosted"Caramel+Amelanistic+Motley+Select

Motley Butter "Frost" female

 バターモトレーには大別して現時点で選抜方向が二つ知られている。その一つが、フロステッド傾向を絡めて強くすることで、斑紋が崩れた部分、本来橙色を帯びた濃い黄色となる部分全体に白い鬆を入れ、総体的に涼しげな印象を持つ明るさのあるバターモトレーとしたもの。
 どんな方向であれ、極めると綺麗になる、ということを感じた品種の一つである。レベルが足りないと単に微妙なモトレーになってしまうので、繁殖する際の親のセレクトが難しいようだ。
 ベタ色のモトレーは全体的に単調で好きではない、という向きもあるだろう。どちらかと言えば個人的にはサングロウ調のものが好きだったか、本品種を見てからは、フロステッドも中々良いな、と思うようになった。ベタ色のバターモトレーは、どこか単調で色味が強すぎる、という印象があるからかもしれない。

 この方向性のセレクトとしては、必ずしもモトレー模様が連続している必要はなく、断続的に引き延ばされた状態の方が、白の抜け具合が目立つ気がする。ただ、フロステッドを絡めたモトレーの他品種では、全体の模様が繋がったタイプも、全身の模様が統一されているという面白さがあるので、このあたりは好みの問題となるだろう。

 問題点は、セレクトの過程で血が濃くなりすぎているせいか、他の要因かは不明だが、いずれにしろ、矮頭化が散見されること。数個体を飼育したが、他の品種では殆ど感じた事の無かった、所謂”頭が小さくなる”という現象が実際に確認できている。そんなに沢山の個体数を飼育してきたとは思わないが、それでも、此処まであからさまに、同一品種で出たのはこの品種ぐらいなので、おそらく相当数出やすくなっているのではないかという気がする。他の品種では、多少そういう傾向があっても、四年五年と飼育していれば追い付いてくる印象があるのだが、この品種ではそうでないものが実際に居たのは確か。面白い品種であると思うので、健全な品種固定が達成されるとよいな、と思うところ。

Motley Butter "Frosted"
baby Adult Adult female

iconSunglow Motley ButterCaramel+Amelanistic+Motley+Select


No Photograph


 バターモトレーにサングロウを導入したもの。

Motley Butter
baby
(LastUpdate:(2009/01/29))