玉蜀黍畑の唄/CornSnakeSongs

icon品種一覧

iconはじめに

 さて、そんなこんなで、この頁は品種を何となく並べている頁です。掲載基準は、
・ 管理人でも知っている品種である
・ その品種の定義が示されている
・ 作出方法が明らかである(セレクトブリードであるとか、使われている遺伝子は何であるかとか)
・ 遺伝するものであること。つまり一世代限りではなく、再現する方法が判明しており、それが作出者以外の手によって確認されていること

 になります。
 作り方や定義が今ひとつ不明なまま、新しい品種として何年か出回ったけれど、その後見なくなったというような場合は、よく分からないので掲載はしないことにしました。それ以外にも、管理人に定義が今ひとつ理解しきれていない場合も掲載は見合わせることにしました(例えばサンライズとかサンキッシュとかです)。

icon野生型(ノーマル)/Wild Type

icon


Normal (Wild-Type)

Normal (Wild-Type)

Out-Cross Bloodred ( het.sulfur)

 野生型とは、正常型ともいい、一つの生物種の自然集団に於いて、最も高頻度で発生する型の遺伝子型のことを云う。突然変異型に対応する言葉であるが、自然集団に於いて、野生型は一つの種類しかないという訳ではない。また、必ずしも区別されるものばかりでもない。ペットトレードで重視されるのは、主に外見を成り立たせている諸要素になる。

 ある種類の生き物が生息域を広げて、従来とは異なる自然環境にある地域に進出したとき、或いは何らかの自然現象などで環境そのものが変化したとき、その自然環境に於いて最適なものがそれぞれの土地で生き残る為、その種は地域ごとに変化していく。
 広範囲に棲息する種であっても、変化する度合いに対して移動性の高い生物であればあるほど、その特徴は全体に溶け込みやすくなり、境界は不明瞭になり観察されなくなるが、分布の広域性が、その生物種の移動能力に対して大きいとき、或いは地域の変化が激しいとき、地域性が目に見えて顕在化しやすくなっていくことになる。ナミヘビは飛翔能力を持つような昆虫や鳥類に比べれば、移動性が高い生物種ではないが、速度は遅くとも移動しようと思えば平地の続く限りは移動が可能であるため、長期的な視野で見れば、大河や山脈などによって大々的に隔絶されない限りは、全体としてなだらかな変化を持つ一つの集団として捉えられる。

 ある地域で生じる変化の濃度は、その生物種の移動性に応じて種の全体に伝播していくが、全体から俯瞰した際、その特徴は、発生した地域を最大として、周囲に向かって伝播し、距離が開くほどに減少していくことになる。全体はこうした様々な、多数の特徴の折り重なりから成り立ち、結果、その変化の様相は諧調的な(クラインを為す)ものとなる。

 こうした理由により、正常型の間にも微妙な差異が生じ得る。所謂オケーティやマイアミ・フェイスは、こうした地域の特徴を、選抜交配によって固定していったものであり、よって共に野生型・正常型にあたるが、同一のものであるという訳ではない。

 野生型・正常型というのは、甚だ相対的な言葉なので、野生型と定義されたものが野生型、と考えておくので差し支えはないだろう。その定義が、先述した、「最も高頻度で発生する遺伝子型」ということになる。
 補足になるが、突然変異型の中には、野生型に対して優性、或いは共優性のものも存在するので、遺伝的に優性であるものが野生型になるとは限らない(例としては、ボールパイソンのSpiderなど)。